「法テラスは無料で法律相談できる」と聞いたことはないですか?
結論から申し上げると、法テラスでは無料法律相談ができます。
しかし誰でも無料でできるのでしょうか?また条件や制限はないのでしょうか?
今回は法テラスの無料相談について詳しく解説していきます。法テラスに興味の方やどこに相談するか迷っている方必見です。
法テラスは誰でも無料?
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法的トラブルに関する法テラスへの問い合わせは、誰でも無料で利用できます。法テラスへ問い合せをすれば、適切な法制度や適切な相談機関や公的窓口などの情報を無料で教えてくれます。
しかし個々の法律トラブルに関する具体的な相談をするためには、いくつかの条件をクリアする必要があります。
【法テラスの無料相談の利用条件】
- 日本に住所があり、適法に在留していること
- 収入・資産の両方が一定以下であること
- 民事法律扶助の趣旨に適していること
条件の詳細は後述していきます。まず法テラスの無料相談は、誰でも無料で利用できるわけではないということを覚えておきましょう。
法テラスで利用できるサービスとは
法テラスで利用できるサービスはいくつかあります。そのなかでも債務整理を検討している方にとって重要なのは、「弁護士の無料法律相談」と「弁護士・司法書士費用の立替制度」でしょう。
無料法律相談や立替制度が利用できれば、直接事務所に依頼するよりも費用を抑えて債務整理手続きを進められます。
弁護士の無料法律相談
法テラスでは利用条件にあてはまれば、同じお悩みに対して3回まで無料で法律相談できます。
【法テラスの無料相談の利用条件】
- 日本に住所があり、適法に在留していること
- 収入・資産の両方が一定以下であること
- 民事法律扶助の趣旨に適していること
弁護士や司法書士の事務所に直接相談する場合、1時間あたりの費用相場は5,000~10,000円です。借金問題を抱えている人にとって、5,000~10,000円の出費は決して小さくありません。
法テラスの無料相談を利用すれば、費用面での負担が減るのが大きなメリットといえます。
また借金問題のような法的トラブルの不安や精神的負担は非常に大きいです。専門家に相談すると、適切なアドバイスをもらえたり考えを整理したりできます。
専門家に相談して今後の方針が見えてくれば、冷静に問題に向き合っていけるでしょう。
弁護士・司法書士費用の立替制度
法テラスでは、条件にあてはまれば弁護士・司法書士費用の立替制度を利用できます。立替制度は手続きに必要な費用をいったん法テラスが立て替えて、手続き完了後毎月5,000~10,000円の分割で支払っていくという仕組みです。
【債務整理で法テラスの立替制度を利用する条件】
- 日本に住所があり、適法に在留していること
- 収入・資産の両方が一定以下であること
- 民事法律扶助の趣旨に適していること
- 「債権者や裁判所から債務整理を認められる見込みがない」とは言えないこと
立替制度を利用するには、無料法律相談の条件に「債権者や裁判所から債務整理を認められる見込みがない」とは言えないことという条件が加わります。
たとえば自己破産には、裁判所から自己破産を認めてもらいにくい借金をした理由があります。絶対に認められないわけではありませんが、借金の経緯や状況から「自己破産できる見込みがない」と判断された場合は法テラスの立替制度を利用できません。
ただし見込みがないかどうか個人で判断するのは難しいので、まずは専門家に相談してみましょう。
法テラスの無料相談を利用できる人の条件
日本に住所があり不法滞在などでなければ、外国人でも法テラスの利用は可能です。ほかにも法テラスの無料相談を利用できる人の条件は、2つあります。
【法テラスの無料相談の利用条件】
- 収入・資産の両方が一定以下であること
- 民事法律扶助の趣旨に適していること
ここでは「収入・資産の条件」や「民事法律扶助」について詳しく解説していきます。
収入等が一定額以下であること
法テラスの無料法律相談は、経済的に余裕のない人などでも法律トラブルの相談を受けられることを目的としているため収入や資産に上限を設けています。
- 収入要件・・・相談者本人および配偶者の手取り月額収入の合計
- 資産要件・・・相談者本人および配偶者が自宅や係争物件を除いた不動産や有価証券などの資産を持っている場合の時価や現金、預貯金の合計
もし離婚問題など配偶者が相手方の場合、収入・資産ともに配偶者と合計しません。
収入要件
収入要件は、相談者本人および配偶者の手取り月額収入の合計が基準を満たしているかどうかです。
基準は以下のようになります。
家族の人数 | 手取り月額収入の基準 | 家賃または住宅ローンがある場合に加算できる金額 |
1人 | 182,000円以下 | 41,000円以下 |
2人 | 251,000円以下 | 53,000円以下 |
3人 | 272,000円以下 | 66,000円以下 |
4人 | 299,000円以下 | 71,000円以下 |
※家族は4人以上の場合、1人毎に「手取り月額収入の基準」に30,000円ずつ加算
たとえば手取り20万円だった場合、1人世帯では収入要件にあてはまりません。しかし2人世帯だと基準額が251,000円以下のため、無料相談できます。
また東京や大阪など生活保護一級地の場合、手取り月額収入の基準が引き上げられます。
家族の人数 | 手取り月額収入の基準 | 家賃または住宅ローンがある場合に加算できる金額 |
1人 | 200,200円以下 | 41,000円以下 |
2人 | 276,100円以下 | 53,000円以下 |
3人 | 299,200円以下 | 66,000円以下 |
4人 | 328,900円以下 | 71,000円以下 |
※家族は4人以上の場合、1人毎に「手取り月額収入の基準」に33,000円ずつ加算
生活保護一級地の場合、1人世帯で手取り月収が20万円でも無料相談可能です。
資産要件
資産要件は、毎月の収入と別に相談者本人および配偶者が所有している資産の基準です。
家族の人数 | 資産の合計額 |
1人 | 180万円以下 |
2人 | 250万円以下 |
3人 | 270万円以下 |
4人以上 | 300万円以下 |
たとえば2人世帯で手取り月収が20万円であれば、収入要件はクリアしています。しかし資産が300万あると資産要件にあてはまらないので、無料相談は受けられません。
また資産からは、将来負担する医療費や教育費などの出費の相当額を控除できます。無料法律相談をする場合は、3ヶ月以内の出費が控除の対象です。
法テラスの公式サイトには、要件確認体験ページが用意されています。個人でチェックしてみたいという方は利用してみましょう。
民事法律扶助の趣旨に適していること
どんなに収入要件や資産要件にあてはまっていても、以下のような場合には「民事法律補助の趣旨に反する」として無料相談を受けられません。
- 相手に報復することが目的の場合
- 違法なことや反社会的なことをするのが目的の場合
- 宣伝目的の場合
民事法律扶助は、経済的に余裕のない人に弁護士や司法書士の費用を援助することによって、裁判を受ける権利を保障する制度と位置づけです。
憲法32条には以下のように明示されています。
第三十二条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。
引用元:G-GOV法令検索
しかし経済的に苦しい人は、弁護士や司法書士に相談したり高額な依頼費用を支払ったりすることは困難です。
法テラスの無料法律相談は憲法32条の「裁判を受ける権利」を守るために行われています。
法テラスの無料相談は何回まで可能?
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法テラスの無料相談は何度もできるわけではなく、1つの問題に対して30分×3回が限度です。
かりに3回で相談が終わらなかった場合でも、4回目の相談はできません。
「3回相談したけど、もっと詳しく知りたい」「相談しても不安を解消できなかった」といったときには、ご自身で事務所を探して直接相談するようにしましょう。
法テラスの無料相談を利用する際の注意点
法テラスの無料相談をするときは、3つのことに注意しましょう。
- 自分で弁護士を選んで相談できるわけではない
- 相談できる回数に制限がある
- 弁護士に依頼したあとは費用がかかる
自分で弁護士を選んで相談できるわけではない
法テラスの無料相談は、相談する弁護士や司法書士を指名できません。自分で専門家を選べないため、毎回相談に対応してくれる人が違うことも多いです。
弁護士や司法書士はそれぞれ方針や考え方が異なるため、相談するたびに受けるアドバイスが違うこともあります。
たとえば1人目に「任意整理をしたほうがいい」と言われていたのに、2人目には「自己破産がいい」と言われてしまうとどちらに従ったらいいのか迷ってしまいますよね。
同じ専門家に相談したいのなら、無料相談ができる事務所に直接相談したほうがいいです。
相談できる回数に制限がある
法テラスでは相談できる回数が3回と決まっており、1回あたりの相談時間の目安は30分です。
債務整理は、人生を左右する重要な問題です。1回の相談が30分しかないと、相談し切れないことがあるかもしれません。
また毎回相談に対応してくれる人が違うと、毎回状況を説明しなくてはならずなかなか話が前に進まないでしょう。
3回相談しても相談し足りないときは、他の事務所を探して直接相談するようにしましょう。
弁護士に依頼したあとは費用がかかる
法テラスへの相談は無料ですが、相談をしただけで借金問題は解決しないです。相談をした後は、法テラスに登録している専門家か他の事務所に直接依頼して債務整理手続きを進めていかなければいけません。
法テラスの専門家でも他の事務所でも手続きをしてもらうためには、費用必要です。
法テラス | 費用相場 | |
任意整理 | 43,000円(1社) | 5~10万円(1社) |
個人再生 | 200,000~255,000円 | 50~100万円 |
自己破産 | 155,000~210,000円 | 30~100万円 |
法テラスに登録している専門家に依頼したほうがかなり安く手続きできますが、問題解決には費用がかかることを知っておきましょう。
法テラスで問い合わせする流れ
法テラスで無料相談から依頼をするまでには、3つの手順があります。
- 法テラスの窓口・サポートダイヤルにて問い合わせ
- 無料の法律相談
- 弁護士に依頼
先に法テラスに登録している弁護士や司法書士を探して直接事務所に行き「法テラスの制度を利用したい」と伝える方法もありますが、ここでは法テラスに問い合わせて専門家を探す流れをご紹介します。
法テラスの窓口・サポートダイヤルにて問い合わせ
法テラスの無料相談を利用するために、まずは法テラスに問い合わせる必要があります。
問い合せでは、どのような相談がしたいのかを明確に伝えるようにしましょう。
問い合わせでは収入と資産について確認され、収入要件と資産要件を満たしていれば法律相談の予約を取れます。
無料の法律相談
無料相談の予約日に法テラスに行って、専門家に相談しましょう。無料相談に行く前に「援助申込書・法律相談票」を作成して、持参するとスムーズです。「援助申込書・法律相談票」は法テラスの公式サイトからダウンロードできます。
また、以下の書類を相談日までに用意しておきましょう。
- 相談者本人および配偶者の収入を証明する書類(直近2ヶ月の給与明細、直近の課税証明書など)
- 資力申告書
- 世帯全体の住民票の写し
- 案件に関する書類
繰り返しお伝えしているとおり、法テラスの相談は1回30分しかありません。ご自身が今後どうしていきたいかなど、相談したい内容をまとめておくことも大切です。
弁護士に依頼
相談が終わったら、専門家に依頼して手続きを始めます。弁護士や司法書士は法テラスに登録している専門家でなくても、ご自身で探して依頼して問題ありません。
ただし立替制度を利用して安く依頼したい場合は、法テラスに登録している弁護士や司法書士に依頼します。
また法テラスへの無料相談の流れからそのまま専門家を紹介してもらうとき、自分で「○○弁護士がいい!」といった指定はできません。
法テラス以外で無料相談できる窓口
司法書士法人 中央事務所
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東京ロータス法律事務所は、東京の台東区に事務所を構えています。「ロータス」というのは法律という意味の「law(ロー)」と人を「助(タス)」けるを組み合わせた造語だそうです。
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東京ロータス法律事務所 ホームページ記事まとめ
法テラスは誰でも本当に無料かどうかについて解説してまいりましたが、いかがでしたでしょうか?
法テラスは問い合わせをすれば、問題に適した相談機関や窓口などの情報を誰にでも無料で提供してくれます。
いっぽう無料相談を受けるためには、3つの条件をクリアしなくてはいけません。
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