- 水道水の危険性・安全性がわかる
- 正しい水道水の煮沸方法がかわる
- 自宅でできる水道水の安全対策がわかる
日本の水道水は世界的にも安全性が高く、そのまま飲んでいる人も多いのではないでしょうか。
しかし最近では有害物質の危険性について気にする人も増え、なかには水道水が飲めない都道府県も存在すると言う人も出てきたんです。
煮沸させれば問題ないという声もありますが、やり方がいまいち分からないし、それだけで本当に大丈夫なのか気になりますよね。
そこで今回は、日本の水道水の危険性や安全性について徹底調査し、水道水を安全に飲める方法などをご紹介します。
水道水の安全性が気になる方や、水道水の味やにおいがどうしても好きになれないからどうにかしたい!という方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
\炭酸水が作れるウォーターサーバー!/
水道水はそのまま飲んでもいい!危険性と安全性について
<ポイント>
- 日本の水道水は世界的に見ても厳しい基準を設けているので安全に飲める
- 水道水には有害物質が微量ながら含まれているものの、飲んではいけない都道府県はない
- 水道水の不純物は大人には問題ないが、赤ちゃんにとっては有害の可能性がある
日本の水道水は、世界的にもかなり厳しい基準をクリアしており、安全性が高いのでそのまま飲んでも問題ありません。
後ほど解説するトリハロメタンといった有害物質は0ではないものの、大人が日常的に飲む分には体に悪影響はないので安心してくださいね。
ただし、赤ちゃんの場合は塩素などの消毒剤が有害になる可能性もあるため、取り入れる際には注意が必要です。
日本の水道水は安全!法律で品質が厳しく守られている
日本の水道水が安全な理由は、「水道法」という法律がとても厳しい基準を設けているからです。
水道法4条には、51項目にも及ぶ「水質基準」が定められており、日本の水道水はこれを全てクリアしなければならず、水道事業者は検査義務が課せられています。
それ以外にも、残留塩素など量は多くないですが注意すべき物質を「水質管理目標設定項目」、ダイオキシン類など水道水の含有量や影響が明らかにではないものを「要検討項目」としてリストアップし、必要に応じて改定しているんですよ。
引用元:厚生労働省
それぞれの項目の詳細については、厚労省のHPから確認できます。
これらの項目は、国際的なガイドラインを元に作成され、人が一生飲み続けても影響が出ないように設定されています。
日本の水道水は有害物質が完全に取り除かれているわけではないですが、過度に心配することはなく、安心して飲み続けて大丈夫です。
水道水が安全に飲める県と飲めない県はある?
先ほどご紹介した水質基準は、全国の水道水に定められているため、安全性はどの地域でも保証されています。
ただし、一部の地域では貯水環境や水源環境の問題が指摘され、おすすめできない、水がまずいと言われているんですよ。
<飲まない方が良いといわれる都府県>
- 東京都
- 埼玉県
- 千葉県
- 茨城県
- 愛知県
- 大阪府
これらの地域がおすすめされていない理由は、主に3つあります。
- 貯水槽の管理次第では消毒剤が増える
- 水源が工場排水等の影響を受けている
- 水源自体の水質や立地に問題がある
貯水槽の管理次第では消毒剤が増える
東京や埼玉などの大都市圏では、大きめの貯水槽を使用しています。
タンクが大きいと水の滞留時間が長くなり雑菌の繁殖を抑えるために消毒液の量が増えた結果、水がまずくなってしまうのです。
貯水槽の管理は集合住宅の管理者次第になるので、しっかり対策されていれば問題ありません。
また、最近では水道水から直接給水するパターンが増えているので、この方法であれば雑菌や消毒剤の影響は考えなくても大丈夫ですね。
水源が工場排水等の影響を受けている
千葉県や大阪府は、水源となる川や湖が工場排水や生活排水などにより汚染され、水を清潔にするために消毒剤を増やさなければならず、水が美味しくないと言われています。
特に千葉県の水源になっている印旛沼の水質は全国ワースト上位に入るほど不評でした。
各県で高性能の浄水施設を建設したり、WHOの基準にのっとった県独自の基本計画を策定して対策を講じており、徐々に改善が図られているようです。
水源自体の水質や立地に問題がある
茨城県や愛知県のように、水源となる川の水質や立地が適していない場合もあります。
茨城県は、水源となる霞ヶ浦の湖の栄養素が豊富すぎるがゆえに生態系のバランスが崩れ、水中の残留物質などが増えてしまい、水の臭いに影響を与えているんです。
愛知県の場合は、水源となる川が2つのみであるため、川と浄水場の距離が遠くなるほど水の味が悪くなってしまうという問題があります。
技術革新などもあって水道水の質や味は格段に良くなっていると言われますが、やはりミネラルウォーターやウォーターサーバーなどの水と比べると臭いがきつかったり、味が変だったりするんですよね…。
これだけ対策をしている水道水ですが、そもそもどのような有害物質がふくまれているのでしょうか。
水道水に含まれる主な有害物質とは?
水道水に含まれる主な有害物質は以下の通りです。
名 称 | 内 容 | 体への影響 |
トリハロメタン | 消毒用塩素と原水中のフミン質(腐植質)などの有機物が反応してできたもの。
水道水質基準ではクロロホルム(CHCl3)、ブロモジクロロメタン(CHBrCl2)、ジブロモクロロメタン(CHBr2Cl)、 ブロモホルム(CHBr3)の4物質が対象。 |
・アトピー性皮膚炎やぜんそくの悪化
・発がん性? ・肝障害、腎障害 ・中枢神経系への影響 |
残留塩素 | 水道水を消毒する時に残った塩素。
遊離残留塩素と結合残留塩素の二つがあり、遊離残留塩素の方が殺菌力が高い。 |
・カルキ臭
・喘息 ・アトピー性皮膚炎、肌荒れ |
トリクロロエチレン | 機械製品の洗浄液、塗料の希釈剤などに使用される。
地下水を汚染する恐れがある。 |
・腎障害
・肝障害 ・中枢神経系への影響 |
農薬(CAT) | 野菜、果物、芝生の除草剤として広く使用される農薬。
付近の河川に流れ込み、残留性が高い。 |
・環境ホルモン(内分泌かく乱)作用 |
鉛 | 給水管から溶け出し水に混じる。
1980年代まで鉛製水道管が主流だったが、現在は使用が中止され、ほとんどが取り替えられている |
・貧血
・神経障害 ・幼児の知能障害 |
これらの他にもアルミニウム、ホルムアルデヒド、アスベストなど様々な有害物質が含まれています。
とはいえ、水質管理基準にのっとって問題ないレベルまで除去されているので気にしすぎない無くで大丈夫です。
塩素がカルキ臭とまずさの元
有害物質がほぼ取り除かれても、水道水を飲んだ時に、独特の臭いや薬っぽいまずさを感じることがありますよね。
その原因は水道水の消毒に使用する「塩素」によるものです。
塩素は、水1リットルあたり0.1㎎以上で保持することが法律で定められ、浄水場では24時間体制で管理されています。
しかし、原水中のアンモニア窒素と化学反応を起こすと「クロラミン」という物質を生み出し、カルキ臭を引き起こしてしまうんです。
カルキ臭は、塩素消毒によって生じる独特のにおいであり、水道水のおいしさを損なう要因の一つです。カルキ臭は原水中のアンモニアと消毒のための塩素とが反応してできるトリクロラミンという物質が要因の一つとされています。
引用元:千葉県庁公式サイト
カルキ臭や独特の水道水の味が苦手な方もいるかもしれませんが、感染症予防の目的から、塩素は必ず取り入れなければいけません。
どうしても気になる方は、後ほどご紹介する煮沸などによる方法で美味しく飲めるようになるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
水道水のトリハロメタンが危険は嘘!過度に気にしないでいい
水道水の「トリハロメタン」についての危険性について不安視する人も多いですが、これは嘘です。
トリハロメタンとは、水道水に含まれる有機物と塩素が反応して生成される物質のことをいいますが、発がん性を指摘する人もいるんです。
しかし、その可能性は極めて低いことが、国際機関の研究などからも明らかにされています。
IARC(国際がん研究所)によると、クロロホルムとブロモジクロロメタンは「ヒトの発がん性の可能性あり」と分類されており、さらにジブロモクロロメタン及びブロモホルムについては、発がん性は確認されていません。
近年の水道水でのこれらの物質の検出状況をみると、水道水質基準の10%未満であることが大半を占めており、水質基準値を超過する例はごく稀です。水質基準を超過した場合でも、浄水場において臨時に活性炭処理等を行うことにより、速やかに水質基準に合致するように対応されております。したがって、トリハロメタンについて、水道水により健康を害することはないと考えておりますが、今後とも水質管理の徹底が図られるよう、安全な水道水の供給に向けた取組を進めてまいりたいと考えています。引用元:内閣府 食品安全委員会
IARCの発がん性分類にはいくつか種類がありますが、クロロホルムとブロモジクロロメタンは「グループB2」に入っています。
グループB2の基準は以下の通りです。
- ヒトへの発がん性については限られた証拠があるが、実験動物では十分な証拠のない場合
- ヒトへの発がん性については不十分な証拠しかないあるいは証拠はないが、実験動物は十分な発がん性の証拠がある場合
引用元:農林水産省
トリハロメタンに関する実験はマウスを使ったものだったため、実際に人間に対する影響はまだ分からず、このグループに属しています。
日本では、クロロホルム(CHCl3)、ブロモジクロロメタン(CHBrCl2)、ジブロモクロロメタン(CHBr2Cl)、 ブロモホルム(CHBr3)の4つを「総トリハロメタン」として、1リットルあたり0.1mg以下にすることが必須です。
水道水に含まれるトリハロメタンだけでガンになるということはあり得ないので、気にせず飲みましょう。
赤ちゃんには害を与える可能性がある
安全性の高い日本の水道水ですが、赤ちゃんの場合は、消毒剤が胃腸機能に負担をかける恐れがあるので注意して下さい。
赤ちゃんの体質にもよりますが、水道水を取り入れても大丈夫な時期は、離乳食が始まる生後6か月~1年になります。
冷たい水を与えてしまうとお腹を下すため、最初は湯冷ましして人肌程度の温度から始めましょう。
水道水を使用する際はこれからご紹介する方法で沸騰させれば、カルキなどを取り除けてより安全かつ美味しく飲めるのでおすすめです。
水道水を沸騰させる必要性・メリット
<ポイント>
- 水道水を沸騰させるとカルキが抜けてより安全で美味しくなる
- トリハロメタンなど有害物質も除去できる
- 煮沸した水は湯冷ましとして赤ちゃんにも与えられる
- 日本の粉ミルクと水道水は相性バッチリ
水道水を沸騰させると、残留塩素やトリハロメタンといった有害物質を除去することができるので、より安全なうえに美味しい水を飲むことができます。
また、赤ちゃんでも安心して飲むことができるので水道水を取り入れる際は煮沸したものから始めましょう。
カルキ抜きでより安全に美味しく飲める
カルキ臭やまずさの原因になる残留塩素は、煮沸することで蒸発します。
また、トリハロメタンも正しいやり方で沸騰させれば気化してしっかり除去できるので、より安全です。
煮沸により除去できる主な有害物質は以下の通りです。
物 質 | 煮沸時間 | 除去の可否 |
トリハロメタン | 10分以上 | 〇 |
残留塩素 | 5分以上 | 〇 |
トリクロロエチレン | 5分以上 | 〇 |
鉛 | ー | × |
安全面を考えるなら、最低でも10分以上は沸騰させた方がよさそうですね。
一部の有害物質は煮沸だけでは完全に取り除くことはできませんが、元の含有量自体が体に影響のないレベルなので心配は要りません。
赤ちゃんに飲ませるのも安心
1歳くらいまでの乳児は、細菌感染のリスクが高いため、適切な方法で煮沸した水道水は赤ちゃんにとっても安心な飲み物です。
WHOのガイドラインでも、粉ミルクを作る時は沸騰させてから冷ました70℃以上の水道水を用いることを明記しています。
また、日本の粉ミルクは、煮沸した水道水を使用することを前提にミネラルなどを調整して作られているので相性バッチリです。
水道水を沸騰させて飲む方法
<ポイント>
水道水を沸騰させて飲むときは…
- 100℃以上を目安に10分以上沸騰させる
- 加熱をすぐやめるとトリハロメタンが増えるので注意!
- 赤ちゃんの湯冷ましにはケトルやポットは使わないこと
ここからは水道水を沸騰させて飲む方法を具体的に解説していきます。
10分以上煮沸することが基本ですが、トリハロメタンは扱いによっては増えてしまうため、注意が必要です。
また、鍋やケトルを使った方法もありますが、赤ちゃんの湯冷ましに使う場合は、ケトルや電気ポットを使うのはNGになります。
成分除去にかかる煮沸時間は約10分
水道水に含まれる成分を除去するためには、10分以上の煮沸が必要です。
沸騰から1分程度で大体の雑菌は死滅しますが、塩素やトリクロロエチレンは取り除くことはできず、5分以上の煮沸が必要になります。
また、トリハロメタンに関しては沸騰から5分ほどは一時的に水中濃度が高くなるため、気化させるには10分以上の沸騰が絶対条件です。
意外と時間がかかりますが、10分以上の煮沸でなければ安全な水とは言えないのでこの基準は守りましょう。
煮沸時間は各地域の水道水の条件によっても多少の差が出てくるため、もっと詳しく知りたい方は住んでいる地域の水道局のHPをチェックしてくださいね。
すぐに加熱を止めるのは危険!元の状態よりもトリハロメタンが増える
沸騰してすぐに火を止めると、トリハロメタンが増えた状態なので危険です。
トリハロメタンは水中の残留塩素と有機物が反応してできる物質なので、加熱により水温が上昇するとその反応が活発になり増加する特性があります。
沸騰直前のトリハロメタンの濃度は加熱前の1.0~3.6倍になるとも言われているんですよ。
トリハロメタンを除去するためには、10分以上の沸騰で元になる物質自体を無くす必要があるため、中途半端な加熱はやめましょう。
温度の目安は100度以上
水道水には塩素に耐性を持つ菌も存在するので、100度以上で煮沸することが最適です。
大腸菌の一つであるクリプトスポリジウムや、配管内に存在するレジオネラ菌は塩素の消毒効果がないものの、60度以上に加熱すれば死滅します。
人間の体に害を与える菌のほとんどは100度以上の温度に耐えらないため、食中毒予防の観点からも100度以上に加熱することが重要です。
100度以上でも死滅しない菌もあるので完璧とは言えませんが、水道水をそのまま飲むよりははるかに安全性が保障されています。
煮沸の条件がわかったところで、詳しい作り方を見ていきましょう。
鍋で沸騰させる場合の作り方
<鍋で煮沸する方法>
1.鍋に水を入れ、ふたをして火にかける
2.沸騰したらふたを外す
3.弱火にして、10分以上沸騰させる
時短のためにも最初はふたをした状態で鍋を強火にかけます。
有害物質や細菌は蒸気とともに気化するので、水道水が沸騰したらふたを開け、弱火で10分以上沸騰させましょう。
10分以上経ったら火を止めて、冷蔵庫で冷やすとよりカルキ臭さを感じにくくなり、美味しく飲むことができますよ。
ケトルで沸騰させる場合の作り方
<ケトルで煮沸する方法>
1.水を入れてケトルをセットする
2.沸騰したらふたを開けて蒸気を逃がす
3.1と2の手順を3~4回繰り返す
ケトルの場合は、沸騰すると自動的に電源が切れてしまうため、3~4回は再沸騰させる必要があります。
沸騰するごとにふたを開けて蒸気を逃がし、塩素や有害物質などを取り除きましょう。
機種によってはカルキ抜き機能がついている場合もあるので、それを使えばさらに効果も高くなります。
赤ちゃんの湯冷ましの作り方
<赤ちゃんの湯冷ましの場合>
1.水道水を沸騰させる
2.沸騰したらふたを外す
3.弱火で10分以上沸騰させる
4.35~37度の人肌程度の温度になるまで冷ます
鍋による煮沸と同様の手順で沸騰させたら、人肌程度まで自然に冷ましましょう。
ちなみにミルクを作る場合は、
1.煮沸した水道水を70度まで冷ます
2.哺乳瓶に規定量の粉ミルクを入れる
3.出来上がり量の3分の2のお湯を入れる
4.粉ミルクが溶けたら出来上がり量までお湯を追加する
5.37度くらいの温度まで冷ます
粉ミルクは製品によって量が変わってくるので、その手順に従いましょう。
電気ケトルや電気ポットで湯冷ましを作るのはNG
赤ちゃん用の湯冷ましを作る際は、電気ケトルや電気ポットは使用しないでください。
直ぐに沸騰して便利ではありますが、再加熱すると空気中の不純物が入り込んでしまうので、衛生的におすすめできないからです。
大人が飲む分にはケトルやポットはOKですが、赤ちゃんの場合は免疫が確立していないので、安全のために鍋ややかんを使用しましょう。
軟水のミネラルウォーターを使用する
水道水でもよいのですが、ミネラルウォーターも不純物がなく、持ち運びもできて便利ですよね。
ミネラルウォーターで湯冷ましを作る場合は、軟水のものを選んでください。
硬水はミネラル成分が豊富なため、特に粉ミルクと混ぜるとミネラルバランスが崩れてしまい、赤ちゃんの内臓機能に負担を与える可能性があります。
WHOの基準では60mg/L 未満を軟水、60-120mg/L 中硬水とする一方で、日本は硬度100mg/L未満が軟水としていますが、そこまで差はないので気にしなくて大丈夫です。
最近では赤ちゃん用のミネラルウォーターも販売されているので、はじめてのお水が不安だなと感じるからは専用のものからスタートするのもおすすめになります。
水道水を沸騰させる以外で不純物を除去する方法
<ポイント>
- 水道水の不純物を取り除く場合、汲み置き、レモン汁、緑茶、炭は不十分
- 蛇口に取り付ける浄水器は手軽でコスパも良いが赤ちゃんが飲むには向かない
- 水道水ウォーターサーバーなら誰でも安全安心な水を飲むことができる
水道水を沸騰させる方法は、塩素やトリハロメタンなどの有害物質をほぼ除去することができますが、何よりも時間と手間がかかるのが難点ですよね。
沸騰以外にも不純物を取り除くやり方はいくつかあるのですが、その効果などについて詳しく見ていきましょう。
不純物を取るには、どの方法が一番お得でラク?
沸騰以外で不純物を取り除く方法としてよく挙げられているのが下記の方法です。
- 浄水器
- ウォーターサーバー
- 汲み置き
- レモン汁
- 緑茶
- 活性炭や備長炭
熱帯魚やメダカの飼育でよく用いられる汲み置きは、一定時間日向に当てることで残留塩素を日光の紫外線により分解・揮発させられます。
また、レモンに含まれるビタミンCは酸化作用のある残留塩素を分解するので効果があるので、レモン水は理にかなった飲み物です。
緑茶の場合は、カテキンに含まれる還元作用が残留塩素を分解し、カルキ臭さなどを取り除くことができます。
活性炭や備長炭は、不純物を取り込む性質があるので、残留塩素だけではなくトリハロメタンの除去としても使用可能です。
浄水器 | ウォーターサーバー | 汲み置き | レモン汁を入れる | 緑茶に通す | 活性炭や備長炭を入れる | |
安全性 | ○:大人は問題ないが赤ちゃん用は煮沸が必要 | ◎:塩素、有害物質ともに除去できる | ×:塩素除去のみ | ×:塩素除去のみ | ×:塩素除去のみ | △:塩素とトリハロメタンの除去は可能 |
所要時間 | △:赤ちゃん用は煮沸が必要 | ◎:温度設定機能があれば冷水、温水ともにすぐ使える | ×:屋外:6時間
屋内:1~2日 日光に当てる必要がある |
○ | ○ | ×
5時間以上置いておく必要がある |
手間 | ○:2ヶ月~半年ごとのカートリッジ交換が必要有り | ○:ボトル型は交換の必要有り | △:不純物が入るため、使用前にネットなどを通す | ○ | △ | △ |
費用 | 本体:数100円~
カートリッジ:数100円~5,000円/個 |
約3,000円~/月 | 0円 | 約100円~ | 約500円~ | 約1,000円~ |
汲み置き、レモン汁、緑茶は、水道水の残留塩素を取り除くのには向いていますが、トリハロメタンといった有害物質の除去までは難しいですし、活性炭や備長炭はコストとかなりの手間がかかるんですね。
それに、これらの方法は赤ちゃんに与えることは絶対にできません。
値段は多少するものの、手間や安全性を考慮すると浄水器かウォーターサーバーが最適だと言えますね。
蛇口に取り付ける浄水器はコスパが良い
煮沸以外で真っ先に思いつく方法が、蛇口につけるタイプの浄水器ではないでしょうか。
蛇口に直ぐ取り付けられるものなら100円ショップでも購入できるので、コスパが良いですよね。
しかしながら、浄水器を取り付けただけでは、完全に不純物を取り除くことはできません。
大人が飲む分には問題はありませんが、赤ちゃんが飲む場合は通常の水道水と同様に、煮沸する必要があります。
水道水ウォーターサーバーが楽で安全!
様々な方法で水道水の安全性をある程度は確保することは出来ますが、やはり一番確実なのはウォーターサーバーですね。
ウォーターサーバーはメーカー各社が独自の厳しい基準を設け、出荷時の検査も徹底しています。
なかには食品衛生や安全規格を取得しているところもあるので、安全性はお墨付きです。
ウォーターサーバーといえば、ボトル交換や水の購入ノルマを気にされる方も多いかもしれませんが、水道水ウォーターサーバーなら、自宅の水道水をそのまま使うため、その心配もありませんし、使用できる水量も無制限です。
コストについても水道水ウォーターサーバーの場合は、設置にかかる工事費用は無料のところも多く、高くても2万円前後になります。
月額料金には、メンテナンスやカートリッジ代などが含まれていることがほとんどなので、煮沸する電気代やガス代、浄水器の交換代などトータルの費用を見ても意外と安上がりなんですよ。
水道水を安全に飲む方法はたくさんありますが、水道水ウォーターサーバーが最も安全で実はお得な方法になります。
水道水ウォーターサーバーのメリット・デメリット
水道ウォーターサーバーには、「浄水型」と「水道直結型」の2種類があります。
両者に共通しているメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
- 水の使用量に制限がない
- ボトル交換やゴミ出しが不要
- 月額料金が一定している
デメリット
- フィルター交換が必要
- 災害時に使えない機種が多い
水道型ウォーターサーバーの魅力は何といっても水の使用量やゴミ出しを気にせず使えることです。
水の購入ノルマなどもないため、月額料金はサーバーレンタル代のみになるので、家計の変動が少ないこともメリットになります。
その一方で設置にかかる費用がボトル型よりも少し高めだったり、災害の断水時には使用できないものが多いところは注意すべき点です。
浄水型の場合はこんな特徴があります。
<浄水型>
メリット
- 設置工事の必要がない
- 置き場所が自由に選べる
デメリット
- 水を補充しなければいけない
- 定期的なフィルター交換とこまめ清掃が必要
浄水型ウォーターサーバーは、設置工事なしで好きな場所に置けて、スタンドの電源を入れて自分で水道水を補充すれば好きな時に使用できるのがメリットです。
重いボトル交換はありませんが、水の補充は自分で行う必要がありますし、ろ過用のフィルターの交換とこまめな清掃が必要になります。
続いて水道直結型を見てみましょう。
<水道直結型>
メリット
- 水切れの心配がない
- 定期メンテナンスがしっかりしている
デメリット
- 設置工事が必要
- 水道からサーバーまでのホースが邪魔
水道直結型は、水道管から分岐させて直接サーバーにつなぐタイプになります。
そのため水切れの心配がありませんし、最近ではコンパクトタイプもあるので、キッチンの空きスペースの有効活用もできるんですよ。
しかし設置工事が必要なので初期費用は浄水型に比べて高めなことと、水道からサーバーまでのホースが邪魔になる場合もあるので、ひっかかり事故には気を付けなければなりません。
浄水型、水道直結型どちらにも良しあしがあるので、ご自身のライフスタイルに合わせて選びましょう。
水道水ウォーターサーバーの一覧表
水道水ウォーターサーバーのなかでも人気があるものを一覧にまとめてみました。
<
ウォータースタンド | キララフレッシュサーバー | 楽水 | ハミングウォーター | エブリィフレシャスミニ | |
画像 |
引用元:ウォータースタンド |
引用元:キララフレッシュサーバー |
引用元:楽水 |
引用元:ハミングウォーター |
引用元:エブリィフレシャスミニ |
こんな人におすすめ | ・一人暮らしでウォーターサーバーを使いたい
・常温水も飲みたい ・水道直結型で費用を抑えたい |
・長期で利用したい
・電気代を抑えたい |
・サーバー本体を購入したい | ・コンパクトなスタンドサーバーがいい | ・卓上型の浄水型サーバーがいい |
料金 | 初期費用:無料
月額料金:2,728円~ |
初期費用:無料
月額料金:4,373円~ |
初期費用:5,500∼13,200円
月額料金:3,278円~ |
初期費用:2,200円
月額料金:3,300円 |
初期費用:無料
月額料金:3,300円 |
ノルマ | なし | なし | なし | なし | なし |
配送地域 | 全国
※一部を除く |
東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県及び静岡県(一部地域除く) | 全国
※一部を除く |
北海道、沖縄、離島、一部エリア以外 | 沖縄以外 |
ボトルの種類 | 水道直結型 | 水道直結型 | 水道直結型 | 浄水型 | 浄水型 |
公式サイト | |||||
口コミ評判 |
浄水型ではスタンドタイプでコンパクトさを追求するならハミングウォーター、卓上型を使用したいならエブリィフレシャスミニがおすすめです。
水道直結型は長く使っていくうちにサーバーを買いたい!という人もいるので、その場合は楽水が最適になります。
コスト面を考慮するなら、ウォータースタンドとキララフレッシュサーバーは初期費用が無料になりますが、対応エリアの広さといったサービス面、機能面などトータルで考えると、ウォータースタンドが最も良さそうですね。
200人から聞いた!オススメは「ウォータースタンド」
- 約12種類の機種と、豊富なラインナップから選べる
- 冷水、温水に加え、常温水も使える
- フィルターはミネラル豊富な「ナノトラップ」と不純物を徹底除去する「RO」タイプが選べる
- 1年から契約可能
ウォーターサーバーを利用している200人の口コミで最も人気が高かったのも「ウォータースタンド」でした。
ウォータースタンドは、NEOをはじめ約12種類のサーバーから選択可能で、常温水のみのモデルであれば、月額2,000円台から新鮮で安全な水を飲むことができます。
冷水、温水だけではなく、常温水が飲むことができるのって結構助かりますよね。
起床して一番の水は常温が最も体に良いと言われているので、目覚めの一杯としても最適です。
ウォータースタンドでは2種類のフィルターを採用しています。
引用元:ウォータースタンド
ナノトラップフィルターは、ペットボトルのミネラルウォーターに使われるウルトラフィルターとほぼ同じ浄水性能です。
静電吸着で有害物質を約99.5%除去しながら、ミネラル成分は残しますので、健康面が気になりだした方はナノトラップはいかがでしょうか。
ROフィルター(逆浸透膜)は、宅配型ウォーターサーバーのRO水と同じ浄水性能で、ウ素・セシウムなどの放射性物質も除去可能です。
こちらは赤ちゃんのミルクなどにも使えるので、子育て中の方に、特におすすめします。
設置費用、半年に一度のメンテナンス費用、経年劣化による本体交換代など全て月額料金に組み込まれています。
余計な費用を気にせずに使えるため、家計への負担も最小限です。
ウォータースタンドは1年から契約可能になっていて、1年未満で解約または機種変更した場合のみ解約料金が発生します。
- 設置から1年未満の解約の場合、撤去費用11,000円(税込)
- 設置から1年未満の機種変更の場合、機種変更手数料11,000円(税込)
多くのウォーターサーバーが2年以上の契約を条件としているところが多いなかで、短期間から始められるのは珍しいですよね。
より安全な水道水を気軽に飲みたい方はもちろん、今使っているウォーターサーバーから水道直結型に乗り換えを考えている方も、ウォータースタンドなら機能、コスパともに1番充実していますよ。
よくある質問・疑問点
<ポイント>
- 煮沸した水はその日のうちに飲み切った方が良い
- 煮沸しても鉛など一部の物質は取り除くことができないが問題はない
- 沸騰した水によくある白い結晶はミネラルが主成分で体に害はない
とりあえず煮沸からやってみたい!という方に、よくある質問や疑問をまとめました。
煮沸した水は保存出来ますか?
煮沸した水は、長期保存はできません。
煮沸により有害物質などを取り除くことはできますが、塩素が無くなる分、殺菌効果も低くなるからです。
常温のまま放置すると金が雑菌の温床となるため、蓋をして冷蔵庫などで冷やしてください。
作った水はなるべくその日のうちに飲み切ることをおすすめします。
煮沸しても取り除けない物質はありますか?
たとえ100度以上で煮沸しても水中に残ってしまう物質はあります。
先ほどご紹介した鉛のほかにも、アルミニウムやクロロ酢酸といった物質は水中から取り除くことはできません。
とはいえ、これらの有害物質は塩素やトリハロメタンよりもさらに微量しかふくまれておらず、アルミニウムに関しては99%排出されるため、大人の場合はそこまで気にしなくても大丈夫です。
赤ちゃんの場合は健康被害などを考慮すると、やはり浄水器やウォーターサーバーが最も安心ではあります。
沸騰させて出来たお湯と白湯の違いは何ですか?
お湯と白湯は同じようで実は違いがあります。
水に熱を加え40度以上になっていれば、沸騰するしないに関わらず「お湯」です。
一方で「白湯」は、水を沸騰させ続けて有害物質を取り除いた90度以上のものを指します。
ダイエットなどで効果があるとされる白湯ですが、厳密にはかなりの熱湯なんですね。
水道水を沸騰させるとキラキラしたものや白い結晶ができるのですが?
沸騰した水道水にたまに入っている白い結晶は、カルシウムやマグネシウムとケイ酸が反応してできたもので、水道水の温度が高い状態が続くほど発生しやすくなります。
この結晶はミネラルが主成分なので、体に害はありません。
コップなどについて取れない時は、お湯で10倍に薄めたお酢を入れてふたをせず1時間ほど放置し、スポンジで洗うときれいにとれます。
ウォーターサーバーほど厳格に対策が出来るわけではないですが、煮沸も安全な水を飲める方法なので、参考にしてくださいね。
まとめ
<まとめ>
- 日本の水道水は厳しい基準を設けているので、大人が日常的飲むのは問題なし
- 赤ちゃんの場合は負担になる可能性があるため湯冷ましを使うこと
- 水道水は100度以上で10分以上沸騰させると塩素やトリハロメタンなどの有害物質をほぼ取り除ける
- 水道水の不純物を取り除く方法は様々だが、安全性と手間を考えると水道型ウォーターサーバーが最もおすすめ
ウイルス対策などが厳重になっている今だからこそ、生きていくうえで不可欠な水に関する知識を得ることはますます重要です。
日本の水道水は世界でもトップクラスの安全性を誇っていますし、心配はないものの様々な有害物質が入っていることもわかりました。
ご自身や大切な人を守るためにも、水道水の煮沸はもちろん、ウォーターサーバーなどを導入するなど、できることから始めてみませんか?
ウォータースタンド | キララフレッシュサーバー | 楽水 | ハミングウォーター | エブリィフレシャスミニ | |
画像 |
引用元:ウォータースタンド |
引用元:キララフレッシュサーバー |
引用元:楽水 |
引用元:ハミングウォーター |
引用元:エブリィフレシャスミニ |
こんな人におすすめ | ・一人暮らしでウォーターサーバーを使いたい
・常温水も飲みたい ・水道直結型で費用を抑えたい |
・長期で利用したい
・電気代を抑えたい |
・サーバー本体を購入したい | ・コンパクトなスタンドサーバーがいい | ・卓上型の浄水型サーバーがいい |
料金 | 初期費用:無料
月額料金:2,728円~ |
初期費用:無料
月額料金:4,373円~ |
初期費用:5,500∼13,200円
月額料金:3,278円~ |
初期費用:2,200円
月額料金:3,300円 |
初期費用:無料
月額料金:3,300円 |
ノルマ | なし | なし | なし | なし | なし |
配送地域 | 全国
※一部を除く |
東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県及び静岡県(一部地域除く) | 全国
※一部を除く |
北海道、沖縄、離島、一部エリア以外 | 沖縄以外 |
ボトルの種類 | 水道直結型 | 水道直結型 | 水道直結型 | 浄水型 | 浄水型 |
公式サイト | |||||
口コミ評判 |
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