「弁理士 やめとけ」「オワコン」弁理士で検索すると、このようなワードをよく目にします。
弁理士を目指している方にとっては、気になるワードではないでしょうか?
弁理士はやめとけよ!オワコンだぞ!なんて言われたら、モチベーションも下がってしまうし、「やめた方がいいのかな?」と不安になりますよね。
では、なぜ「弁理士やめとけ」「弁理士オワコン」と言われるのか、本当にそうなのか?理由を探りつつ、弁理士になるメリットや稼げる弁理士になるためには?などについても解説していますので、是非、参考にしてみて下さい。
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弁理士はやめとけ!既にオワコンと言われるワケ
弁理士で検索すると、「やめとけ」ばかり出てくるけど、なんでだろう?
弁理士目指して勉強してるけど、「やめとけ」「オワコン」て言葉を目にすることが多くて、何だかやる気なくなってくるな・・・。
このように、弁理士を目指して勉強している方にとっては、モヤモヤとするワードですね。
そもそも検索するとなぜ、「弁理士 やめとけ」「オワコン」が、上位に出てくるのでしょう?
弁理士と言えば8士業※にも挙げられる人気の国家資格です。
「弁理士」という名前を聞くだけでも、「やりがいがありそう」「かっこいい!」と思う方も多いかもしれません。
国家資格ともなれば、持っていると弁理士だけではなく他の仕事にも活かせるため、損はないと思います。
それなのにネガティブなワードが挙がってくるのには、いくつか理由があるようです。
まずはその理由を下記で詳しく解説していきます。
※8士業とは、職務上必要な場合、住民票や戸籍謄本などを請求できることが認められている、8つの職業のことを指します。具体的には、「弁護士」「司法書士」「弁理士」「税理士」「社会保険労務士」「行政書士」「土地家屋調査士」「海事代理士」の8つです。
理由①弁理士の将来性が不安
弁理士の将来が不安だと感じる3つの理由
- AIに仕事を取られる
- 弁理士の数が増えている
- 地方での仕事が少なく、都心でしか仕事ができない
1)AIに仕事を取られてしまうのでは?
確かに、単純な計算や簡単な入力作業、同じ事の繰り返しならAIでも可能かもしれません。
しかし、弁理士の仕事は専門的な知識や技術を必要とし、コミュニケーション能力も求められます。
書類を作成するためには、まずはクライアント(依頼者)から情報を得るために、コミュニケーションを取りながら申請するための情報を聞き出し、進めていく必要があります。
システム化しているAIは、人の気持ちを考えたり、言葉に出来ないことを察してクライアントに質問することが苦手です。
仕事上、まだ世に出ていない、新しい技術やデザインなどにも触れることになりますが、AIはそうした「初めて見るモノ」「想像すること」「クリエイティブなこと」なども苦手分野に入ります。
そのため、複雑な業務がある中で全てをAI化というのは、まだまだ現実的ではありません。
2)弁理士の数が増えているから仕事にならない?
弁理士の数が増えていることで、弁理士としての仕事が減っていくことが考えられ、その不安から「やめとけ」「オワコン」て言われてる理由の一つになっていると考えられます。
事実、特許出願件数(※1)は年々減少傾向にありますが、それとは逆に弁理士の数は年々増えています。
2022年4月現在の弁理士の数は、11,634人(自然人)となっています。※引用元:特許庁
そうすると減少してきている特許出願を、大勢の弁理士で取り合うということが考えられます。
多くのライバルがいる中で仕事を取るためには、「語学が堪能」「◯◯の分野が得意」など、他の弁理士よりも「私は出来る」、というアピールも必要になってくるでしょう。
そのため、弁理士を目指しているというと、「やめとけ」「既にオワコン」などと言われてしまうのかもしれません。
※1:特許とは
画期的な発明をした発明者(または会社)などに対して、その発明を独占的に使用できる権利(特許権)を国が与えます。
発明の内容を説明した書類や図面など、申請に必要な書類を作成するのが弁理士の仕事です。
特許権を取得すると、独占的に利用できたり、他の人に発明の利用を許可して「ライセンス収入」を得られるなど、収入に大きく関わってきます。
そのため、特許権は発明者を保護する役割もあります。
特許出願は早いもの勝ちなので、早めに準備に取り掛かった方がいいでしょう。※参考:特許庁
3)地方は仕事が少ない??都心じゃないと仕事がない?
企業の数だけで言うと、圧倒的に都心の方が多いですよね。また、知的財産(※2)に関心がある企業が都心に多いことから、都心に比べると地方での仕事は限られてしまうのかもしれません。
そのため、地方で弁理士として活躍したいと考えている方には、「やめとけ」と助言する人もいるのでしょう。
「地方=仕事が少ない」と聞いたら、そんな不安も出てくるのではないでしょうか?
しかしここ数年でオンラインでの仕事が一気に普及しました。
今はオンラインで世界と繋がることができますので、地方にいても、都心や海外のクライアントとリモートで打ち合わせすることが可能です。
そのため、ある程度の人脈や営業スキル、インターネットの知識があれば、地方で仕事を得ていくことも十分に可能です。
弁理士の仕事は特許だけではありません!
弁理士の仕事は、専門性が高い知識が必要な仕事です。
特許出願だけが仕事ではなく、知的財産や商標登録(※3)なども弁理士の仕事の一つです。
知的財産や商標登録などを扱うのであれば、企業の知的財産部で働くこともできます。
知的財産は、消費者が手に取ることが多いペットボトルや箱などの、形ある「モノ」から、企業のロゴやデザインなど、さまざまな「モノ」にも関わってきます。
「デザインや形が似てるけど、このくらい大丈夫かな?」「色が違うからいいよね!」「困った・・・誰に相談すればいいの?」となった時に、知識を活かして窓口になることができます。
細かいアドバイスや手続きなどができるのは、弁理士ではないでしょうか。
その事から弁理士の仕事が全てAIに変わる事はなく、また、就職先や業務内容も幅広いことから、将来仕事がなくなるということは考えにくく、比較的安定した職業と考えられるでしょう。
※2:知的財産とは
発明されたアイディアや技術、創作物などの無形財産と呼ばれ、財産的な価値を持ちます。そうしたものが、「知的財産」と呼ばれています。
人間の知的な活動から生まれた創造物に関する権利、その価値を法律で保護しているものが、「知的財産権」となります。※参考:特許庁
※3:商標登録とは
商品を手にした時、自社製品を他社製品と区別するために商品名やロゴ、マークなどが付いていますね。それらが「商標」と呼ばれているものです。
クライアントと打ち合わせを行い、どのような権利を取得するのかを決めます。
また、商標を使用することで紛争が起きないか、事前に調査も行います。
自社製品に類似したモノを作成されたりすると、売上が減ってしまう可能性があります。
悪用されて悪いイメージが付いた場合は、その商品や企業のイメージが悪くなったりと、大きな損害を受ける可能性があります。
イメージや利益を守るために、それらの「商標登録」を行います。※参考:特許庁
理由②一人前になるまでに時間がかかる
すぐに活躍したいけど・・・時間がかかるって本当?
残念ながら、「試験に合格したから、今日からすぐに活躍できる!」という訳にはいきません。
試験は、あくまでも弁理士として働くために必要な、「基礎的な知識」を問うものです。
実際に弁理士として働くには、実務経験が必要となります。
一番初めに、まず何から始めたらいいのかも分からないのに、いきなり弁理士としての仕事はできませんよね。
専門性の高い仕事だからこそ、さまざまなケースや対応方法を学び、知識を増やす必要があります。
人によってその差があるものの、最低でも平均2〜3年、一人前になるまでには5年かかる、と言われています。
確かに、一人前になるまでに時間がかかるので、そんな風に感じる方もいるのかもしれません。
弁理士の試験内容は、特許法、商標法、意匠法(※4)、著作権法(※5)などの法律の他、専門用語や知識、特許出願書の作成や特許審査の手続きなども含まれ、非常に多くの事を勉強しないといけません。
難しい試験に合格するために、膨大な時間を使った割にはすぐに活躍できない。
せっかく合格したのに、いつまで下積みの仕事をすればいいの?
それらを天秤にかけた時に割に合わない・・・と、思う方も多いのではないでしょうか。
まずは基本的な専門用語や仕事の流れを覚えたり、書類の記載方法などを覚えるために、コツコツと地道にこなしていきます。
大切な時間ですが、その時間が長いので「弁理士 やめとけ」「オワコン」と言われてしまうのかもしれません。
※4:意匠法とは
意匠=デザイン
商品や工業製品の形状、模様、色彩などのデザインに対して保護し、意匠の創作を促し、産業の発展に貢献することを目的とする法律です。意匠法に基づいて登録されたものを、意匠権と言います。
登録されているモノは、ペンやハサミなどの文房具類、フランパンや鍋などの調理用品、おもちゃや体重計、歯ブラシなどの日用品、衣類や機械部品、ポットや冷蔵庫などの家電やペットボトルなど、身の周りにある、さまざまなモノとなります。
登録された意匠権を、他人が無断で使用する事はできません。ここでも紛争が起きないか、事前に調査することが必要です。
意匠法は国際的にも重要な法律であり、多くの国が意匠の保護に関する国際条約に加盟しています。
また、特許庁への登録が必要となります。※参考:特許庁
※5:著作権とは
著作権は、よく耳にする言葉ではないでしょうか?
創作物に対する権利を定めた法律で、著作権者の権利を保護するための制度です。
文学・美術・音楽・演劇・映像などがあり、著作者が創作した作品には著作権が発生します。他人が無断で使うことはできません。
そのため、音楽や映画などをコピーして販売することは違法となります。また、著作権法は著作者が死亡した後も、一定期間は著作権が発生しています。
国によって異なりますが、一般的に著作者の死後50年以上となっています。※参考:文化庁
理由③弁理士試験の難易度が高い
試験て難しいの?
前述のとおり、試験内容は、特許法、商標法、意匠法、著作権法などの法律の他、専門用語や知識、特許出願書の作成や特許審査の手続きなども含まれます。
勉強する範囲がとても多く、ここだけ見ても難しそうに感じてしまいますね。
弁理士の難易度については、「弁理士 難易度」の記事にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみて下さい!
ちなみに、2022年度に発表された弁理士の合格率は6.1%となっています。
2022年度 弁理士試験の結果概要
項目 | 人数 |
志願者数 | 3,859 人 |
受験者数 | 3,248 人 |
受験率(受験者数/志願者数) | 84.2 % |
合格者数 | 199 人 |
合格率(合格者数/受験者数) | 6.1 % |
合格者平均受験回数 | 3.7 回 |
※引用元:特許庁
また、合格者で多い平均受験回数は3〜4回、平均勉強時間は3,000時間と言われています。
その事からも弁理士試験の難易度が高いというのが分かります。
この数字を見ただけで諦めてしまう方も多いのかもしれませんね。
ここだけみて、「弁理士 やめとけ」となるのかもしれません。
理由④弁理士が高収入なのは一部だけ?
弁理士って高収入って聞くけど・・・一部の人だけなの?
弁理士の平均年収は700万円といわれています。
一般的な正社員よりも高いことが分かりますが、勤務先や個人のスキルなどによって大きく変わります。
大規模な特許事務所や大手企業、また、出願件数が多い商標登録を扱う場合などは、高収入を得られるでしょう。
独立開業した場合は、弁理士としてのスキルの他、仕事を自分で取ってきたり交渉する、「営業スキル」や「経営スキル」も必要になります。
ですが、独立開業しているので、仕事をこなした分のお給料は全て自分に入ってきます。
このように、その人の経験や実績、所属する企業や地域などによっても大きく変わってきます。
限られた案件しか扱わない、扱う数が少ない場合は、もちろん収入にも反映してしまいます。
そのため、想像していたよりも意外と収入が少なく感じ、「やめとけ」「オワコン」と言われる原因に繋がるのでは?と、考えられます。
所属する企業や経営方法で年収が大きく変わるため、高収入なのは一部と言われるのかもしれません。
弁理士はやめとけ!?既にオワコンなのか口コミでチェック
「弁理士 やめとけ」「オワコン」などと言われているけど、実際はどうなんだろう?
本当に「やめとけ」と言われるのか、実際に働いている人や、周りの声を聞いてみたいな。
ということで、実際に口コミを調べてみました!
ここでいくつか見てみましょう。
弁理士を目指すメリットは?
では、実際に弁理士を目指すことのメリットは何でしょうか。
「やめとけ」「オワコン」などと言われがちな弁理士ですが、メリットはたくさんあります。
理由はさまざまありますが、ここでいくつか挙げてみたいと思います。
是非、参考にしてみて下さいね。
選択肢が多い自由な働き方
色々な働き方ができるって本当?
弁理士の働き方は、選択肢が多いのも特徴です。
「やめとけ」って言われるけど、自由な働き方って憧れる!どんな働き方なんだろう?
企業に就職して働くのなら会社のオフィス、独立しているなら個人のオフィスやカフェなど。
特許事務所で働いているなら、事務所やクライアント先など、勤務場所も様々です。
特に大手事務所や企業で働く場合、海外出張やテレワークなど、自由度の高い働き方も可能ではないでしょうか。
フレックスタイム※を導入している企業であれば、遅めに出勤して満員電車を避けることができます。※フレックスタイム=日々の始業・終業時刻、労働時間を自分で決めることができる制度。あらかじめ働く時間の総量(総労働時間)を決めた上で、日々の出勤時刻や働く長さを労働者が自由に決定することができます。引用元:厚生労働省
逆に早く出勤して早く帰宅し、家族や友人と食事をしたり、習い事や趣味を楽しんだり、勉強の時間にあてたりと、自分の時間を有効に使うこともできます。
もちろん情報が漏れないことが大前提ですが、言い換えればPCさえあれば場所を選ばず働くことができます。
子育てや介護をしながら働いている方、家事と両立して働いている方、他の仕事とは別に兼業して働いている方、自分が使える時間内で働いている方など、所属する企業などにもよりますが働き方を選ぶこともできます。
独立開業している方はある程度、自分の好きな働き方で働くことができると言えます。
このように、働き方の選択肢が多いのはとても魅力的ですね。
国家資格を持ってるからできる独占業務
独占業務ってなに?
資格を保有している人以外は取り扱うことが法律で禁止されているのが、「独占業務」となります。
技術やアイディア、ロゴなどさまざまなモノにおいて、「これは我が社のモノ」「これは私が発明したモノ」など、保護するためには特許庁への申請が必要となります。
申請手続きはとても複雑なため、一般の方では分からないことも多くあります。
その時に出番となるのが弁理士です。
書類の作成や特許庁への申請を企業や発明者に代わり、申請することができます。
特許出願や商標登録出願については、弁理士以外は原則として業務を行うことができません。※ただし弁理士が行える業務には限りがあるため、弁理士法で定められた業務以外は該当しません。
これは、弁理士資格を持っているからこそ出来る業務となります。
サラリーマンよりも高収入
サラリーマンよりも収入がいいの!?
下積みを重ね、知識が増えると扱えるようになる案件も多くなり、業務内容の幅も広がります。
それによって収入が増え、1,000万円を超える弁理士もいます。
弁理士の平均年収は700万円といわれていることから、一般のサラリーマンよりも高収入と言えますね。
なるほど・・・収入面では「やめとけ」と言われる理由もないし、「オワコン」でもない気がする。
日本の企業に勤めているサラリーマンは、まだまだ年功序列型の収入が多いのではないでしょうか。
年功序列型だと、年収の上限が決まっているため、どんなに優秀な新入社員や若手社員でも、それ以上の収入は見込めません。
弁理士は出来高制でもあるので、実力があれば同じ年齢でもサラリーマンより稼ぐことができるでしょう。
弁理士は一人前になるまでに時間がかかりますが、定年がなく、この年収を維持できるのは魅力的です。
このように高収入を望めますが、そのためには、それに見合う専門的な知識や経験が必要となります。
高収入を得るためには、常に勉強する努力も欠かせないでしょう。
弁理士資格取得後の就職先は?
弁理士試験に合格したからといって、すぐに弁理士として活躍することはできません。
特許事務所などで経験を積んで知識を増やす、企業内の知的財産を扱う部署で働く、独立開業する、さまざまな道があります。
仮に独立に失敗したとしても、資格があるので企業で勤務する弁理士としてやり直すことができるのも、大きいのではないでしょうか。
「やめとけ」「オワコン」て言われるけど、どんな就職先があるんだろう?
就職先があるなら、「やめとけ」と言われるのはなぜなんだろう?
それでは、資格取得後、どのような就職先があるのかいくつか見てみましょう。
特許事務所に勤務する
弁理士として勤務する場所として、代表的な一つが特許事務所での勤務です。
将来、独立開業を目指している方にとっても、有力な選択肢の一つと言えます。
特許事務所で働きながら、実務を経験してスキルを磨き、経験値や対応力を増やしていきます。
また、実務を経験しながら安定した収入が維持できるのも安心ですね。
ここでは弁理士の業務に詳しい先輩がいます。
弁理士としての第一歩を踏み出すのに心強く、理想的な環境ではないでしょうか。
特定の分野に特化した人なども、在籍していることが多いでしょう。
そのため、幅広く知識を学ぶことができます。
特許事務所では、クライアントから相談や依頼を受け、特許出願や商標などに関するアドバイスや出願書類の作成などを行います。
人によっては1日、打ち合わせで終わることもあるでしょう。
また、特許権の侵害の調査や契約書作成、訴訟対応や相手との交渉などを行うこともあります。
まずは先輩の仕事を見ながら比較的簡単な業務から覚え、徐々に業務の幅を広げていくことができます。
同じ業務をしている同僚や先輩、上司がいるため、分からないことを教えてもらうこともできますし、同じ業務をしているからこそ、刺激にもなりますよね。
申請書類は、クライアントが申請したい内容や専門用語をちゃんと理解し、説明できるような書類を作成する必要があります。
誤字脱字などの基本的なミスをせずに書類を作成できるようにならなければ、独立することはできません。
特許や商標に関わる手続きは、一度決まると後戻りができないことが多いため、申請書類は正確性が求められます。
ここでコツコツと学んだことが、後に大きく役立つでしょう。
・専門性の高い知識を身につけることができる。
・さまざまなケースの案件に携われることができる。
・専門的なネットワークを作ることができる。
・同業者が周りにいるので心強い。
企業で弁理士として働く
企業には、「知的財産部」という専門の部署がある場合があります。
その企業と契約し、企業内あるいは企業専属の弁理士として働く方法もあります。
弁理士は「やめとけ」なんて言われるけど、普通に企業でも働くことができるんだ!
企業で働いた場合、特許に関する書類の作成や、特許庁への申請などがメインとなります。
その他、自社の知的財産権が侵害された場合に、法的手続きの代行なども行います。
知的財産権の保護に関する知識があり、自分が所属する企業のことも理解しているため、ビジネス戦略を考えたり、事業の成長をサポートすることもできるでしょう。
特許権や商標登録などは先に出願されたものが優先で登録されるため、後から知らずに同じようなものを出願した場合、却下される可能性が大きいのです。
特許出願は早い者勝ちのため、この権利関係を主張し、出願する役割を企業内の弁理士には求められています。
・知的財産権を保護することができる。
・法的リスクを回避することもできる。
・企業のビジネス戦略に携わることができる。
独立開業をする
企業に勤めた場合は決められた範囲のお給料となりますが、独立開業した場合、1,000万円を目指すことも可能です。
そのため、高収入を目指すのであれば、独立開業がオススメです。
複数人で集まって開業することも可能ですし、一人で独立して開業することも可能です。
自分でやりたいことや興味、関心がある案件を選ぶこともできます。
独立しているので、自分のスキルに応じた報酬を設定することもできますね。
働く場所も自宅やカフェなど、時間や場所に捉われず、ライフスタイルに合わせて働くことができるので、自由度も高まります。
自分自身で経営することで、ビジネススキルを磨くこともできるでしょう。
独立開業すればライフスタイルに合わせて働けていいのに、なぜ弁理士は「やめとけ」と言われるの?
独立するということは全て一人で処理する能力が必要となります。
リスクもあるため、事前にしっかりと準備することが大切です。
クライアントを新たに探したり、金額の交渉をしたり、スケジュール調整も全て自分でおこなわないといけません。
請求書や経費処理などの、細かい事務処理も発生します。
そこで、コミュニケーション能力が必要な営業スキルや、売上や経費を管理する経営スキルなども必要となります。
どんなに仕事ができても、困っているクライアントに提案する勇気と実力がないと仕事にはなりませんね。
どのくらいのお金を使って、どのくらい入ってくるかなど、お金の管理が出来ないと会社を続けることはできません。
逆をいえば一人で行うことができれば、スケジュールも自分で決められる、どこでも仕事ができる。
そのため、時間を有効に使いながら高収入を目指すことができます。
また、独立開業していれば定年がないので、何歳になっても現役で活躍することができるでしょう。
・高収入が目指せる。
・自分でビジネスを経営することができる。
・経験を積むことができる。
・自分の好きな場所で働くことができる。
稼げる勝ち組弁理士になるには
稼ぐために弁理士になった訳ではない!という方もいると思います。
でも生活するためにはお金が必要です。
多くの時間を勉強に費やして弁理士の資格を取得したのですから、弁理士として働くなら、稼げたら嬉しいですよね。
弁理士は「やめとけ」「オワコン」などと言われているようですが、稼げる勝ち組弁理士になる方法もあります。
そのためにはどうしたらいいのでしょうか。
語学ができれば仕事が増える
日本国内の出願特許は減少していますが、一方で日本企業における国際出願(※6)件数は増えています。
2023年の現在、出願TOP5は表の通りとなります。
【PTC上位出願人・国】引用元:WIPO(2023年発表)
順位 | 国 |
1位 | CHINA(中国) |
2位 | UNITED STATES OF AMERICA(アメリカ) |
3位 | JAPAN(日本) |
4位 | REPUBLIC OF KOREA(大韓民国) |
5位 | GERMANY(ドイツ) |
グローバル化が進む中で特許や知的財産は競争化しており、国際出願は今後も高まる可能性が高いでしょう。
世界の特許出願件数も年々増加し、2019年には322.4万件となっています。
2010年には199.7万件でしたが、この10年間で1.61倍も増加しました。※引用元:特許庁
語学ができれば、海外進出を考えている日本企業をサポートしたり、逆に日本に進出したい海外企業をサポートすることもできます。
日本の社会においても国際化が進んできていることから、国内でも弁理士として、外国人との、やりとりや打ち合わせを行う機会も多くなるでしょう。
英語ができる弁理士を探している企業や人から、紹介されることもあるかもしれません。
翻訳家を利用することも可能ですが、翻訳家は弁理士ではありません。
弁理士が扱う文章は特別な英語が利用されることも多く、専門用語や流れなどを正確に伝えたり記載する事は難しいのではないでしょうか。
その国特有のルールなどもあるので、見落としてしまう可能性もあります。
翻訳家を使うとその分の費用と時間もかかってしまうため、クライアントにしてみたら、「思ったより費用がかかる」「もっと早くできないか」と、不満に思う方もいるかもしれません。
また、PTC出願(※6)という制度がありますが、これも各国で権利を取ろうとすると、翻訳文を提出する必要があります。
英語ができれば、海外の同業者やパートナーと一緒に仕事を進められるため、思っていることを直接話すことができるのでスムーズですね。
もし独立開業しているなら、クライアントと交渉し、翻訳分も利益として計上することができるのではないでしょうか。
出願国TOP5を見ても、英語や中国語などができると強いことがわかります。
※6:国際出願とは
「一度の手続きで複数の国に対して有効な特許」という仮想的な概念で、実際には存在しません。
日本で取得した特許権は日本国内でしか、その効力を使うことはできません。
外国で特許を取得したい場合には、原則、国ごとに出願する必要があります。
複数の国で特許を取得する手段として、WIPO(世界知的所有権機構)が管理する「国際特許出願制度(PCT:Patent Cooperation Treaty)があります。参考:特許庁
PCT加盟国は2023年現在、157ケ国となっています。参考:WIPO
複数の国で特許権を取得する場合、それぞれの国に特許出願するというのは国ごとに法律や言語なども違うため、時間もコストもかかり、大変複雑で難しいでしょう。
PTC出願することにより、PTCに加盟している国に対して特許出願をしたのと同じ扱いとなります。※PTCに加盟していない国に対しては個別の出願が必要なため、注意が必要です。
一度の出願で複数の国に対して申請できるため、時間とコストを節約できます。
また、国際出願が認められれば各国の手続きに進むことができるので、国内出願よりも広範囲で特許や商標の保護を受けることができます。
ただ、国際出願は単なる手続きのため、各国での実質的な特許や商標の承認は、それぞれの国の法律や手続きによって行われます。
また、手数料や翻訳費用などもかかります。
ブラック企業に就職しない
弁理士の主な就職先の特許事務所ですが、「ブラック」と言われる職場も残念ながら存在しています。
特許事務所は少人数の組織も多いため、「ブラック」と言われる事務所に入ってしまった場合、事務所内の環境を変えるのが難しいかもしれません。
そのため、特許事務所や企業で働く場合、残業時間や手当、休日など労働条件や労働環境をよく確認することが大切です。
毎日夜遅くまで残業したり、朝早く出勤したり。
事務所によっては厳しい「ノルマ」を課すところもあり、一人で多くの案件を抱えたり納期に追われたりすると、深夜残業や休日出勤に繋がってしまいます。
クライアントへの対応も一人で行うので、その責任も大きくなります。
判断を間違うと、クライアントに重大な損害を与えてしまうことも・・・。
それが精神的な負担に感じる人もいるでしょう。
お休みの日までも仕事に追われる生活なのに残業代が出ないなど、過酷な労働環境で身体を壊してしまったら意味がありません。
暴力は勿論ですが、意味なく大声で罵倒したりパワーハラスメントをするような人がいたり、職場の雰囲気が悪くて嫌になったりなど、続ける意欲がなくなってしまうのも問題です。
働いた分はきちんとお給料に反映されるなど、労働に対する対価は必要ですし、居るだけで気持ちが沈んでしまうような職場はあまり良い環境といえないでしょう。
せっかく努力して試験に合格し、弁理士として経験を積むために就職したのに、下積み時代に挫折してしまい、辞めることになってしまってはもったいないですよね。
だから弁理士は「やめとけ」って言われるのか・・・
これは弁理士だけではなく、一般企業でもいえることですが、ブラック企業の特徴は人が定着しないことではないでしょうか。
常に求人を募集しているような特許事務所や企業などは要注意かもしれません。
もし可能であれば、実際に働いている人の声を聞くことも大切と言えます。
一人前になるまでに時間がかかると言われている弁理士。
その下積み時代にどこに身を置くのかが大切になってきます。
キャリアプランを立てておく
弁理士のキャリアにはさまざまな選択肢があります。
自分が将来どうなりたいのか、そのためにはいつまでに何をすればいいのか。
経験を積むために特許事務所で働くのか、企業に勤めるのか。
小さな事務所で経験を積んで大手企業に転職するキャリアもあります。
独立開業を考えているなら、書類作成から学べるところで働き始めるのも将来へ繋がります。
企業のビジネスや戦略にも携わることができるので、コンサルティングとして別の道に進むこともできます。
一生涯、弁理士として働きたいなら、業務においてスキルを磨き、高度な案件にも対応できる力をつけて、特許事務所のパートナーとして働くことも可能でしょう。
高収入を望んでいるなら基本的な知識以外に、「営業スキルがある」「ある分野に特化している」「語学が堪能」など、他の弁理士との差別化も必要です。
60〜65歳で定年の企業も多いと思いますが、専門の資格を持っているため、定年した後も嘱託雇用や再雇用などで働くことができる企業もあるでしょう。
独立開業していれば、何歳になっても現役で活躍することもできます。
弁理士ってどんな人が向いてる?
細かい作業が多いから、「やめとけ」って言われるの?どんな人が向いているんだろう?
細かく複雑な内容を扱う弁理士の仕事。
書類作成業務が多いため、デスクに向かってコツコツと細かい作業をすることが苦にならない、というのも必要です。
特許を得るためには論理的(筋道を立てて考える)な説明が欠かせませんし、逆に申請を却下された場合などは、反論しないといけません。
反論と言っても、カッとなって頭ごなしに反論・批判するのではなく、「なぜ却下されたのか」「それならば次はどういう対策を行えばいいか」を考えられる、論理的で正確な思考が大切となってきます。
新しいアイディアを権利化する義務があるため、ニュースやトレンドに敏感で、常に新しい情報をキャッチしている人などは有利ではないでしょうか。
また、文系よりも理系の方が合格率が高いことも内訳を見ても分かります。
出身系等別内訳(2022年現在)引用元:特許庁
文理内訳 | 人数 | % |
法文系 | 29人 | 15.0% |
理工系 | 148人 | 76.7% |
その他 | 16人 | 8.3% |
法律系の資格の中で、唯一の理系の資格とも言われています。
弁理士を目指すなら理系が得意な人、または理系に進む、というのも選択肢の一つかもしれません。
苦労してせっかく資格を取ったのに、やってみたら向いていなかった・・・と思うのは悲しいですよね。
どんな人が向いているのか、特徴をまとめてみました。
好奇心旺盛な人
新しい技術やデザインを権利化する義務があるため、まだ世に出ていない最新の技術やデザインにいち早く触れられるのはとても魅力的です。
そのため、好奇心旺盛の人は興味関心を持って仕事ができるので、モチベーションも上がります。
楽しみながら業務に取り組むことができると、仕事の効率も上がりますね。
仕事の効率が上がると収入アップにも繋がります。
1日のうちで仕事をしている時間は長いため、楽しく仕事ができるのは大きいのではないでしょうか。
好奇心旺盛の人には向いている仕事と言えるでしょう。
弁理士資格取得後も学ぶ意欲がある人
特許に携わることが多い弁理士の仕事。
新しい技術やデザインなどに関わるため、ニュースやトレンドなど最新の情報にアンテナを張り、市場動向や法改正などにも対応できるようにすることが必要です。
また、ダブルライセンス※を活かすことによって他の弁理士と違い、付加価値が高まります。※ダブルライセンス=1つの資格だけではなく、複数の資格を持つこと。
例えば、「中小企業診断士」という資格があると経営コンサルタントとして企業の経営面や知的財産に加え、ブランディングに関しても携わることができます。
会社のイメージや戦略を考えるのは、弁理士の仕事とは少し違うため、楽しそうですよね。
公認会計士、税理士などの資格があれば事業戦略を提案したり、財務分野を踏まえた業務にも携われます。
また、弁理士資格を取得すると行政書士の試験免除が適用されるため、試験を受けなくても資格が取得できます!
この行政書士の資格をいかし、会社設立の手続きなどができるため業務の幅が広がります。
スタートアップ企業のお手伝いをすることもできますね。
エンジニアから弁理士にキャリアチェンジされた方は、「技術士」としての資格をいかせば専門分野のため、同じ分野の企業からみたら頼れる存在で、技術に強い弁理士として活躍することができるでしょう。
学ぶ意欲がある人は、弁理士以外の資格があることによって携わる業務の幅が広がり、人脈も増え、収入アップに繋がるケースもあります。
聞き上手で文章にまとめるのが得意な人
書類作成には発明者やクライアントから詳しく話を聞くなど、情報収集が不可欠です。
発明のポイント、抱えている課題や悩み、これからどうしたいか?など、多くの情報を引き出す必要があります。
正確な情報伝達や相手のニーズを理解し、適切な提案を行い、申請書類の作成などを進めていきます。
それらが揃って出願の準備や調査、明細書作成などの作業が可能となります。
書類が通らないと申請ができないため、聞き出した情報を上手くまとめて説明できないといけません。
そのため、聞き上手で文章をまとめるのが得意な人は強いと言えます。
まとめ
「弁理士やめとけ」「オワコン」など、検索するとネガティブなワードが出てくる弁理士ですが、なぜそのように言われてしまうのか?また、実際は違うことが上記からも分かります。
多くの時間を勉強に費やした割に下積みが長い、仕事が減っていく一方では?などの理由が挙げられますが、それにはちゃんと理由があることが上記からも分かります。
特に国際出願などは増加傾向のため、これから目指す方は英語や中国語など外国語を身につけておくと強みとなり、活躍の場が広がるでしょう。
弁理士は新しいアイデアや技術に、いち早く触れることができるのも、魅力の一つとも言えます。
会社のロゴやパッケージなど、モノづくりに特許は必要となります。
ロボットやAIを作り出すことも、「モノづくり」であり、弁理士の仕事が減ってきたと言われていますが、全てAIに変わることもなければ、まだまだ需要がある資格だと言えます。
弁理士に興味をお持ちであれば積極的に挑戦してみてはいかがでしょうか?
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