弁理士試験の難易度や合格率はどのくらい?他資格との比較や勉強方法についても徹底解説!

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皆さん弁理士と言う仕事を知っていますか?

名前を聞くだけで、難易度がかなりありそうと感じる方も多くいるかと思いますが、とてもやりがいのあるかっこいい仕事です!

弁理士とは知的財産法を取り扱う専門家になります。

仕事内容は申請書類の作成、コンサルティング業務など多種多様扱います。

こちらの記事では弁理士になるための勉強法、難易度など紹介して行きますのでよろしくお願いいたします!

目次

弁理士試験の難易度や合格率はどのくらい?

弁理士の試験は毎年合格者も少なく、難易度の高い試験と言えますが、効率よく学習することにより合格も0ではありません。

弁理士試験の難易度が高い要因として、学習範囲がとても広いことが考えられます。

では、どのような試験科目なのでしょうか?科目別に難易度を紹介して行きます。

弁理士試験の科目別の難易度

弁理士試験の科目は「1.短答」「2.論文」「3.口述」の3段階に分かれています。

2の「論文」はさらに、必須科目と選択科目の2科目あります。

科目が少なく感じるかもしれませんが、1つの科目の出題範囲が広いので学習の難易度が高いと言えます。

また、出題範囲が広いことでポイントが絞りにくくなり、ここ近年の試験難易度を高くしている要因と言えます。

ですが、弁護士及び7年以上の特許庁の審判官または、審査官として審判または審判の事務に従事している場合は、3段階の試験が免除されます。

なので、実務修習のみで弁理士の資格取得が可能になります。

では、下記で科目別の特徴や難易度を説明して行きますので見て行きましょう。

1.短答式筆記試験(短答試験)

短答試験は弁理士試験の最初の関門になります。

特許・実務新案・意匠・商標・工業所有権に関する条約・著作権法・不正競争防止法などから、60問出題されます。

五肢択一式で、65%以上の正解が合格基準になります。

問題は5分野に分かれており、各分野最低40%以上正解の必要があります。

合格するには、細かく分かれている分野の勉強が必要です。

また、短答試験の合格率は2022年度の弁理士試験で10.3%と低い水準となります。

弁理士試験の科目の中で、短答試験は最も合格率が低く難易度も高い傾向なので、押さえておくべきポイントになります。

2.論文式筆記試験(論文試験)

論文は「特許・実用新案」、「意匠」、「商標」の必修3科目と、選択1科目になります。

3つの科目の中で最も試験出題が広範囲となります。

必修科目の合格基準は100点満点中、平均54点と半分ぐらいの点数ですが、1つでも47点未満の科目があると不合格となります。

なので、論文試験は科目も多く範囲が広い分不得意な科目を作らないことが、とても大切になります。

論文試験の制限時間は、1時間半と2時間の2種類がありますので、試験対策として時間内で、論文を書きまとめる練習をしておきましょう。

論文は2022年度の弁理士試験で、26.3%と全体の2割弱の合格率でした。

決して高くない合格率ですが、練習を重ねることで合格基準を目指すことが可能です!

3.口述試験

口述は3科目の中で、例年最も合格率が高い科目になり受験者は難易度も薄れる傾向にあります。

2022年度の弁理士試験では96.4%と高い合格率でしたが、油断は禁物です。

上記2つの科目と試験形式が違い、試験管2人と問答を行います。1科目10分と限られた時間制限もありますので、緊張感のある科目になります。

「特許・実用案件」、「意匠」、「商標」の3科目から口頭での出題となり、それに対して答える面接方式の試験です。

2科目以上の答えが不十分である場合には、失格となりますので注意が必要です。

合格率が高いですが当日緊張しないように、面接練習を十分に行って準備をしておく必要があります。

弁理士試験を科目別で紹介して行きました。

受験を考えている方、少しでも興味のある方は参考にして下さい。

弁理士試験には各科目難易度がありますが、1つ1つ十分な準備が必要ですね!

下記で2022年度の弁理士試験の合格率について紹介します。

弁理士試験2022年度の合格率は6%

2022年度(令和4年)に行われました弁理士試験の最終合格率が、6.1%であることが、2022年11月10日に特許庁より発表されています。

数字だけ見てしまうと、弁理士試験は合格が難しく、かなり難易度が高い試験と言うことが分かります。

以下で過去5年間の受験者数に対しての合格者数、最終合格率、平均受験回数を紹介します!

実施年 受験者数 合格者数 最終合格率 平均受験回数
2022年(令和4年) 3,177人 193人 6.1% 3.4回
2021年(令和3年) 3,248人 199人 6.1% 3.7回
2020年(令和2年) 2,947人 287人 9.7% 4.1回
2019年(令和元年) 3,488人 284人 8.1% 4.1回
2018年(平成30年) 3,587人 260人 7.2% 3.8回

引用元:特許庁ホームページ 2023年2月15日

一番最新の2022年度の弁理士試験では3177人の受験者に対し、わずか193人の合格者でした。

合格率にすると6.1%と低い合格率です。

試験自体の難易度が表だけで伝わってきますね。

つまり、100人中6人の合格と言う難題であることが分かるとともに、受験を考える場合はしっかりと学習準備が必要と分かりますね。

特にここ数年は、合格率が下がっていますので難易度が高いです。

また、平均受験回数は3回から4回と1回での合格は難しく、複数回受験をすることにより合格している方が一般的なようです。

8士業難易度ランキング

上記で紹介しましたように、2022年(令和4年)に行われました弁理士試験の最終合格率が、6.1%とかなりの難しさだと分かります。

弁理士試験は難易度が、最高峰資格の一角と言われるのも納得の国家資格ですね。

弁理士の他にも税理士や行政書士などを含めた8士業があります。

弁理士同様難易度が高い士業も多くあるようです。

では8士業とはどのような資格があるのか、合格率から分かる難易度ランキングやそれぞれの特徴などを、表にまとめたので見て行きましょう。

順位 資格名 合格率(例年) 受験資格 資格の特徴
1 司法書士 3~4% なし 行政機関に提出を行い、書類の作成、審査請求などを行う仕事。

これらの作業には、法律に関する知識が必要になります。

司法書士は単に手続きをするのではなく、依頼者から相談を受けた内容を、法律に乗っ取って依頼内容を進めて行きます。

主な仕事内容は、登記業務・供託業務・書類作成・訴訟代理や支援・企業法務・相続や成年後見業務などです。

2 社会保険労務士 4~6% あり 労働・社会保険問題の専門家です。

労働保険・社会保険諸法令に基づいて、行政機関に提出する提出書類や申請書などを依頼者に代わって作成を行います。

企業を経営していく上で、労務管理や社会保険・傷害保険・国民年金・厚生年金についての相談、指導を行うことが出来ます。

3 弁理士 6~10% なし 法律で規定された、知的財産権に関する専門家です。

発明した人が損をしないように、特許や意匠、商標などを特許庁に出願して登録を行うのが主な仕事になります。

4 土地家屋調査士 7~9% なし 不動産の表示に関する登記の専門家です。

依頼を受けて、土地や建物の所在・形状・利用状況などの調査・測量を行い、図面の作成や不動産の表示に関する登記の申請手続きなどを行います。

5 行政書士 8~15% なし 官公署に提出する書類、権利義務、事実証明に関する書類の作成、提出手続きを行うことが出来ます。

これらの書類作成は、行政書士の独占業務になりますので、行政書士の資格がないと作成することが出来ません。

6 税理士 12~15% あり 税務の専門家です。

確定申告・青色申告の承認申請、税務調査の立会い、税務署の更正・決定に不服などについて代理を行います。

また、確定申告、相続税申告書、青色申告承認申請書など税務署に提出する書類を、代わりに作成を行います。

7 弁護士 22~39% あり 依頼人の法律トラブルを解決するための手助けを行います。

当事者同士では解決が難しく、法的手続きが必要な場合は依頼人の代理を務めます。

法律のプロとして、依頼人が望む結果を得られるように、総合的にサポートをして行きます。

8 海事代理士 48%~54% なし 海の専門家として頼られる存在で、船舶登録等の業務を行います。

仕事内容は司法書士と似ていて、海に関することでの申請や届け出、登記などを行います。

引用元:アーガルトホームページ 2023年2月14日

8士業を聞いてこれはこの仕事だ!と分かりましたか?

皆さんも初めて聞いた職業があるのではないでしょうか?

ここまで8士業の難易度ランキングや資格の特徴を紹介しました。

次に弁理士試験を目指す上で合格者の出身大学を紹介して行きます!

弁理士試験に合格する人の傾向


弁理士試験は難易度がかなり高い試験と言われています。

ここ近年さらに難易度が上がり、合格率は6%から10%程度となっています。

「高学歴でないと合格できない」と言うイメージを持つ方もいらっしゃるかと思います。

ですが、弁理士試験合格には出身大学や学歴が関係するのでしょうか?

下記で紹介して行きます!

弁理士試験合格者の出身大学ベスト5

弁理士試験は国家資格の中でも、非常に難易度の高い資格になります。

資格合格のために1つの方法として、大学で弁理士資格試験の勉強を行います。

そのため弁理士になる目的で大学を選ぶとしたら、とても大切な選択になりますので、自分にあった学校を慎重に選びたいですよね。

では、どの大学が弁理士輩出率が高いのでしょうか?

合格者数と志願者数のトップ5の大学を紹介して行きますので、参考にしてみましょう!

【合格者数トップ5の大学】

出身校 人数 合格率
東京大学 21人 10.9%
京都大学 16人 8.3%
東京工業大学 11人 5.7%
大阪大学 8人 4.1%
東北大学 6人 3.1%

引用元:特許庁ホームページ2022年度(令和4年)弁理士試験結果 合格者統計 2023年2月14日

【志願者数トップ5の大学】

出身校 人数 全体の割合
東京大学 211人 5.9%
京都大学 170人 4.8%
早稲田大学 146人 4.1%
大阪大学 129人 3.6%
東京理科大学 126人 3.5%

引用元:特許庁ホームページ2022年度(令和4年)弁理士試験結果 志願者統計 2023年2月14日

合格者統計表と志願者統計表を見比べると、偏差値が高い大学が多いように感じます。

弁理士試験と学歴や偏差値は関係あるのでしょうか?

合格者統計ランキングを見る限りでは、基本的に偏差値の高い大学出身者の方が合格率が高い傾向にあります。

2022年度(令和4年)の弁理士試験の合格割合を見ると、東京大学10.9%、京都大学8.3%と偏差値と合格率に一定の相関があるように感じます。

ですがこの結果はあくまでも結果です。

弁理士を目指しているからと言って、必ずしも上位ランキングに入らないと合格出来ないかと言うとそうではありません。

どこの大学に入ったとしても、弁理士を目指す上で必要な勉強を行い、専門職の学位を定めることが出来れば、論文試験の選択科目が免除される可能性もあります。

自分自身が入った大学でしっかりと学業に打ち込み、結果を残すことが出来れば弁理士試験合格に有利になります。

弁理士に向いているのは理系と文系どっち?

弁理士試験の知識を大学で勉強していくには、理系と文系のどちらが有利なのでしょうか?

2022年度(令和4年)の弁理士試験の結果を見ると、理工系の受験者合格率が76.7%に対し、法文系の受験者合格率が 15.0%、その他の学系が 8.3%と統計が出ています。

引用元:特許庁ホームページ2022年度(令和4年)弁理士試験結果 2023年2月14日

基本的に弁理士試験は、理系よりの知識を活用する資格になります。

文系の出身者でも試験自体は受験可能ですが、試験内容が理系よりの問題のため、若干不利になる場合があります。

ですが、文系の方が弁理士になれないわけではありません。

実際に文系出身者でも、弁理士試験に必要な勉強を行い、弁理士として活躍している方もいるようです。

次に弁理士試験に合格している人について紹介して行きます!

弁理士試験に合格してる人はどんな人?

弁理士試験には受験資格がないので、様々な方が合格を目指して受験をします。

では合格をしている方はどんな方なのでしょうか?

年齢別・職業別・男女別で紹介して行きますので見て行きましょう!

【年齢別合格率】

年代 合格率
20代 34.2%
30代 36.3%
40代 22.3%
50代 6.7%
60代 0.5%

引用元:特許庁ホームページ2022年度(令和4年)弁理士試験結果 2023年2月14日

【職業別合格率】

職業 合格率
会社員 45.6%
特許事務員 33.2%
無職 6.2%
公務員 4.7%
学生 3.1%
法律事務所 2.1%
自営業 1.0%
教員 0%
その他 4.1%

引用元:特許庁ホームページ2022年度(令和4年)弁理士試験結果 2023年2月14日

【男女別合格率】

合格者の特徴を見ると、年齢別で20代から40代が多いことが分かります。

幅広く感じますが、一番働き盛りの年代であり専門性の知識を得たり、キャリアの分岐点となる年代と言えます。

また、職業別では全体の約8割が働きながら取得していることになります。

学生や無職の方の受験者数よりも、仕事をしながら受験を行う方が多いことに驚きますね!

そして男女の受験者では、男性の方が受験者が多い傾向にあることが分かりました。

20代から40代の女性では、結婚や出産と環境が大きく変わる場合があるので、さらに合格への難易度も上がりこの割合になった可能性がありそうですね。

では、弁理士試験合格に向け効率の良い勉強方法を紹介して行きます!

弁理士試験合格に向けた効率の良い勉強方法とは?

弁理士はとても難易度の高い国家試験になります。

専門知識になるので、必ず勉強をしなければ資格取得は出来ません。

では、弁理士になるためにはどのような勉強方法があるのでしょうか?

また、勉強時間や勉強期間はどのくらいかかるのでしょうか?

下記で紹介して行きますので、確認して行きましょう!

弁理士試験の勉強方法

弁理士試験合格のためには、初学者でもそうでない方でもかなりの勉強が必要と言われています。

上記で紹介しましたが、働きながら資格取得を目指す方が多くいますので、自分で継続して学習するのは厳しい方が多くなると思います。

自分で勉強を進めて行くとすると、まずテキストなどの勉強道具の準備から始めて行きます。

銭的には、予備校や通信講座などを受講するよりも金額は抑えることが可能ですが、一から十まで1人で行うとなると大変かつ合格への難易度も高くなることが分かります。

もちろん独学でも合格は目指せますが、長期的な集中力とモチベーションの維持などの難易度を考えると、独学はあまりおすすめではありません。

また、年々難易度が高くなっているので、初学者は特に予備校や通信講座などの教えてもらえる学習方法がおすすめです。

自分の生活環境や性格なども考えた上で、勉強方法を考えましょう!

弁理士試験の勉強時間

弁理士試験に合格するために必要な勉強時間の目安は2,000から3,000時間と言われています。

特に初学者は、3,000時間以上の時間が必要な場合があります。

また、上記でも紹介しましたように、働きながら資格取得を目指す方が多いので、勉強時間も限られてきます。

平日は仕事と並行して勉強を行う場合、1時間から2時間が限界ではないでしょうか?

休日に6時間から8時間毎回勉強を行えたとしても、1週間に約20時間から25時間程になります。

2,000時間から3,000時間勉強するとなると、勉強期間に約3年近く必要になることが分かりますね。

過去に弁理士の勉強をしたことがある方は専門用語など理解が出来ますが、初学者は法律などの専門的な内容で時間がかかり、さらに合格する難易度がかなり上がる可能性があります。

自分自身がどのくらい時間を使うことが出来るかにもよります。

少しでもモチベーションを維持しながら進めていける方が、難易度も低くなりより合格に近づくことが可能になります。

では、下記で弁理士試験合格までの流れと試験概要について説明して行きます!

弁理士試験合格までの流れと概要


ここまで弁理士試験の勉強法や難易度について触れてきました。

次は弁理士試験合格までの流れと、試験概要について一連の流れを5つに分けて詳しく解説して行きます。

最初に受験願書などの手続きについて説明をして行きます!

1.受験願書の手続き

こちらでは、受験願書の手続きから受験票交付までの流れを説明して行きます。

実際今年に行われる予定であります、弁理士試験2023年度(令和5年)の詳細を元に紹介いたします。

【①受験願書の請求を行う】

弁理士試験を受験するのにまず必要なことは、願書の請求を行いましょう。

願書請求方法は以下の3つになります。

  • インターネット:弁理士試験の公式サイトの専用ページにアクセスをして、メールアドレスやパスワードなどの設定を行います。

その後願書請求に必要事項を入力をし、受信確認メールが来たら手続き完了となります。

  • 交付場所での直接交付:受験願書の直接交付を受ける場合は、特許庁や日本弁理士会、各経済産業局知的財産室などの訪問が必要になります。

全ての都道府県に交付場所があるわけではないので、あらかじめ注意が必要になります。

  • 郵送:郵送での願書請求を行う場合は、封筒に「弁理士試験受験願書請求」と記入し送付先住所に送付を行います。

また、送付する際に角形2号(240mm×332mm)の返信用封筒(切手不要)の同封が必要になります。

送付先は郵便番号100-8915 東京都千代田区霞が関三丁目4番3号特許庁秘書課弁理士室試験第一班」宛に送付を行ってください。

【2023年度(令和5年度)願書の交付・請求期間】

  • インターネットによる請求:例年2月上旬から3月下旬 *2023年(令和5年)2月1日(水)から3月22日(水)
  • 交付場所での交付:例年3月上旬から4月上旬 *2023年(令和5年)3月1日(水)から3月31日(金)
  • 郵送による請求:官報などで指定する期間 *2023年(令和5年)3月1日(水)から3月31日(金)

【②願書提出を行う】3月中旬から4月上旬

受験願書の申請を行うと、後日願書の交付が提出用の専用封筒も送られてきますので、それに必要書類を同封し郵送します。

弁理士試験の受験資格は特にありません。

必要書類は以下のようになりますので、しっかり確認しましょう!

  • 受験願書(交付されたもの)
  • 顔写真(縦4.5cm×横3.5cmを願書に貼り付ける)
  • 受験手数料12,000円分の特許印紙(願書に貼り付ける)
  • 免除を受けるための必要証明書類(免除の対象となる場合)

*申込時の注意点*

願書の申請方法は3つありますが、受け取りと提出は郵送となります。

特にインターネットでの申し込みでは、メールやインターネット上で願書提出が出来るわけではないので注意が必要です。

また、一部試験免除を受ける場合は、願書への同封を忘れないようにすることと、「特許印紙」が必要な点も注意しましょう。

皆さんの身近で印紙と聞くと、「収入印紙」を思い浮かべるかと思いますが、全くの別物になりますので購入の時は気をつけましょう。

【願書受付期間】

  • 例年3月中旬から4月上旬 *2023年(令和5年)3月15日(水)から4月5日(水)*4月5日消印有効

願書受付が受理されると後日受験票が送付されます。

2023年度(令和5年)は5月21日(日)が弁理士国家試験日になりますので、5月上旬から中旬にかけて受験票が届きます

もし、受験票が届かない場合は問い合わせをしてみましょう。

引用元:特許庁ホームページ弁理士試験の概要 2023年2月14日現在

続いては弁理士試験の各試験科目の概要を紹介して行きます!

2.短答式筆記試験

【日程】5月中旬から下旬

【場所】東京、大阪、仙台、名古屋、福岡

【短答式筆記試験】問題数全60問

  • 特許・実案新案に関する法令:*20問
  • 意匠に関する法令:*10問
  • 商標に関する法令:*10問
  • 工業所有権に関する条例:10問
  • 著作権法および不正競争防止法:10問

*出題範囲には、工業所有権に関する条約に関する規定がふくまれており、工業所有権法令の範囲内の条約の解釈・判断を考査する。

【出題形式】マークシート方式(五肢択一式)

【試験時間】3.5時間

【合格基準】総合得点の満点に対し、65%以上の得点が必要。

論文式筆記試験および口述試験の適正に行う視点から、工業所有権審議会が相当と認めた得点以上であること。

ただし、科目別の合格基準を下回る科目が一つもないこと。(科目別合格基準は各科目の満点の40%以上)

引用元:特許庁ホームページ弁理士試験の概要 2023年2月14日現在

また、短答式筆記試験に合格しないと次の試験である論文式筆記試験は、受験することが出来ないので注意が必要です。

まず先にある合格を目指すよりも、弁理士試験の登竜門である、短答式試験の合格に向けて勉強に集中しましょう!

科目は5科目に分かれており、各科目全て40%以上合格基準を取る必要があります。

合格するには、これらの法令を網羅し偏った勉強でなく、5科目を平均的に勉強することが必要です。

3.論文式筆記試験

【日程】6月下旬から7月上旬

【場所】東京、大阪

【論文式筆記試験】・必修科目:工業所有権に関する法令

  • 特許・実用新案に関する法令
  • 意匠に関する法令
  • 商標に関する法令【選択科目】下記の6科目のうち、受験願書提出時にあらかじめ選択する1科目なお、選択問題は受験願書提出時に選択し、その後は変更不可です。
  • 理工Ⅰ(機械・応用力学):材料力学、流体力学、熱力学、土質工学
  • 理工Ⅱ(数学・物理):基礎物理学、電磁気学、回路理論
  • 理工Ⅲ(科学):物理化学、有機化学、無機化学
  • 理工Ⅳ(生物):生物学一般、生物化学
  • 理工Ⅴ(情報):情報理論、計算機工学
  • 法律(弁理士の業務に関する法律):民放(総則、物権、債務から)

【試験時間】

  • 必修科目(特許・実用新案):2時間
  • 意匠:1.5時間
  • 商標:1.5時間
  • 選択科目:1.5時間

【配点比率】

  • 特許・実用新案:2割
  • 意匠:1割
  • 商標:1割
  • 選択科目:1割

【法文の貸与】

  • 必修科目:試験の際に、弁理士試験用法文を貸与する
  • 選択科目:「法律(弁理士の業務に関する法律)」の受験者には試験の際に、弁理士試験法文を貸与する。

【採点について】必修3科目のうち、1科目でも受験しない場合は、必修科目全て採点を行わない。

【合格基準】必修科目の合格基準を満たし、かつ選択科目の合格基準を満たすこと。

【科目合格基準】

  • 必修科目:標準偏差による調査後の各科目得点の平均が54点を基準とし、口述試験の適正に行う視点から工業所有権審議会が相当と認めた得点以上であること。

ただし、47点未満の科目が一つもないこと。

  • 選択科目:科目の得点が、満点の60%以上であること。

【採点格差の調整】

必修科目における採点格差の調整は、標準偏差により行う

引用元:特許庁ホームページ弁理士試験の概要 2023年2月14日現在

論文式筆記試験は必須科目と選択科目の片方のみでも受験が可能です。

ですが、両科目に合格しないと次の口述試験を受験することが出来ないので注意が必要です。

論文は2時間と1.5時間の2種類あり、日頃から時間内で論文をまとめる必要があるため、練習をしておくことが大切です。

4.口述試験

【日程】10月中旬から下旬

【場所】東京

【口述試験】工業所有権に関する法令

  • 特許・実用新案に関する法令
  • 意匠に関する法令
  • 商標に関する法令

【試験時間】各科目とも10分程度

【試験方法】面接方式

【合格基準】採点基準をA、B、Cのゾーン方式とし、合格基準はC評価が2つ以上ないこと。

引用元:特許庁ホームページ弁理士試験の概要 2023年2月14日現在

口述試験は例年合格率が、96.4%と高めですが他の試験と違い、面接方式試験ですので油断は禁物です!

面接は試験官2名と問答を行い、1科目10分程と制限があります。

ペーパー試験とはまた違った緊張感があるシチュエーションですので、面接練習もして慣れておくといいでしょう。

5.最終合格発表と合格証書発送

【最終合格発表と合格証書発送について】

  • 最終合格発表:10月下旬から11月上旬
  • 合格証書発送11月上旬

上記のように出願から試験を経てかなりの長期戦になります。

弁理士試験の受験を考えている方は、モチベーションの維持なども考え、一度スケージュールを組んでみましょう!

弁理士の年収とは?


弁理士資格を取得するにあたって、年収が気になる方も多くいると思います。

弁理士は勤務先、立場によっても年収が変動してきます。

こちらでは、弁理士の平均年収や年収を上げるための方法などを紹介して行きます!

弁理士の平均年収は高い?

弁理士の平均年収は、およそ700万円から750万円だといわれていて、一般的な正社員の平均年収はおよそ430万円であるため、弁理士の年収は一般的な正社員よりはるかに高いことが見て分かります。

ですが、勤める会社や個人のスキルによって、弁理士の年収は大きく変化します。

同じ弁理士でも平均年収が、300万円前後から1,000万円以上まで開きが見られます。

大手企業や独立している方には、高収入を得ている方もいるようですが、一方で中小企業では700万円に満たない方も少なくありません。

弁理士全員の平均年収が、700万円から750万円というわけではありませんので、収入を左右する要因を見極めることが大切になります。

年収を上げるには開業すべき?

難関をクリアして晴れて弁理士になったとしても、目標にしている年収に届かなかった場合、モチベーションも下がりますよね。

弁理士になりたてはまだまだ経験が必要になります。まずは案件を1つでも多くこなして行くことが大切になります。

経験を積み上げて行くことにより、人材価値を高めることで、企業の特許事務所から重宝されたり、いずれは独立開業の道も開くことが可能になります。

また、キャリアを積むことでも年収はアップして行くことは可能ですが、大きく可能性を伸ばしていくのであれば、自分だけの強みを探していきましょう!

下記で特許事務所と独立開業の違いなど説明して行きます。

【特許事務所】:弁理士のキャリアとして、まずは企業や特許事務所で経験を積みましょう。

その場合所属する組織によって、平均年収は大きく異なります。

規模が大きければそれなりに年収も高い傾向になり、キャリアを積む中で昇進も出来る可能性があります。

さらに年収アップが見込めます。

また、企業によっては弁理士の資格を持っているだけで、手当が増えたりと大きなメリットがあります。

【独立開業】:弁理士は専門職になります。資格取得後キャリアを積んで行くことにより、将来的に独立開業を目指す方も多いのではないでしょうか?

弁理士として独立開業して成功することが出来れば、年収1,000万円以上になることもあるようです。

場合によっては、年収2,000万円、3,000万円を目指すことも可能です。

自分の頑張りしだいで、夢がある職業の1つですね!

ここまで弁理士の平均年収、独立開業をした場合の違いなどを説明しました!

せっかく難易度の高い弁理士に慣れた暁には、自分自身の夢も多く持ちたいですね。

より豊かに好きな仕事が出来るように、頑張っていきましょう!

最後に弁理士試験に関するよくある質問について説明して行きます。

弁理士試験に関するよくある質問


弁理士試験を受験するにあたり、よくある質問をまとめましたので参考にしてください。

受験を少しでも考えている方の励みになれば嬉しいです!

弁理士試験の受験資格や条件はありますか?

弁理士試験の受験資格には、年齢制限、国籍、学歴制限などの必要条件はありません。

誰でも受験が可能です。

弁理士試験に合格すれば弁理士としてすぐに活動できますか?

弁理士試験に合格しても、実務修習を修了し(平成20年度以降の弁理士試験合格者に限る)日本弁理士会に弁理士登録を行わなければ、弁理士として活動することは出来ません。

弁理士としてすぐに活動したい方は、登録の日程なども含めた日にちなど、期間の余裕をもって行動をおすすめします。

短答式筆記試験のマークシートの記入に注意すべき点はありますか?

記入に際しては、必ずシャープペンシルまたは鉛筆を使用し、濃く記入してください。

また、マークシートの塗りつぶしは枠をしっかりと塗りつぶしてください。

枠をはみ出たり、逆に小さなチェックなど分かりにくい記入方法も避けましょう。

機械で読み込む際、ボールペンおよび万年筆では読み込めないので、使用はしないでください。

論文式筆記試験の答案用紙の記入に注意すべき点はありますか?

記入に際しては、必ず黒または青インクのボールペンもしくは万年筆を用いて、丁寧に記載してください。

癖時や分かりにくい記入の仕方は避けましょう。

消せるボールペン、鉛筆およびサインペンは、使用しないでください。

試験問題を持ち帰ることは可能ですか?

筆記試験の試験問題は、試験時間終了後持ち帰ることが出来ます。

ただし、途中退出する場合は試験終了時間まで持ち帰ることが出来ませんので、途中退出する方は注意してください。

試験時間中に飲食すること、またはトイレに行くことはできますか?

水分摂取については、ふた付きの飲み物であれば水分摂取は可能です。

また、トイレに関しては原則禁止となります。

ただし、急激な体調の変化などのやむを得ない場合には、手を挙げて知らせください。

試験管が指示を出しますので、そちらに従ってください。

まとめ

今回こちらの記事では、弁理士試験の難易度や合格率について説明を行っていきました。

また、他資格との比較や勉強方法についても徹底解説しましたがいかがだったでしょうか?

弁理士になるためには、まず国家資格取得が必須となります。

資格取得を目指していく中で、難易度の高さや試験範囲がとても広いことなどを、改めて知ることが出来ましたね!

難易度の高い資格試験だけに確実な合格を目指すのであれば、試験傾向のポイントを分析したうえで、弁理士試験の講座など教えてもらえる環境の受講がおすすめになります。

長期的な勉強や難易度の高い試験になりますので、少しでもモチベーションの維持が出来るように自分に合った勉強法で合格を目指しましょう!

よかったらシェアしてね!

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