ここでは二級建築士の難易度についてお話ししていきます。
よく、一級建築士の難易度が高いことは耳にしますが、果たして二級建築士の難易度はどの程度なのでしょうか。
二級建築士の試験対策は独学でも可能なのか、スクールが必要となるのかも気になるところです。
今回はその点について詳しくご紹介していきます。
その他にも、二級建築士の難易度と他資格との比較や、二級建築士試験に対する勉強方法なども併せてお伝えしていきます。
二級建築士の難易度は?
二級建築士の難易度は高いのか?
二級建築士の試験内容や合格率はどうなのか?
などの疑問をお持ちの方もいるでしょう。
ここでは、二級建築士の難易度を偏差値と合格率から検証していきます。
二級建築士の偏差値
二級建築士の難易度の指標として、資格偏差値があります。
資格偏差値とは難易度を数値化したもので、他資格との比較が可能です。
二級建築士の偏差値は56程度、一級建築士は66程度と言われております。
ちなみに他資格では、管理栄養士が61、インテリアコーディネーターが54、秘書検定1級が53程度とされております。
二級建築士は、一級建築士よりは低いものの、二級建築士の難易度は資格としてはやや高い水準でしょう。
二級建築士の合格率
二級建築士の合格率はどの程度なのでしょうか?
過去5年間の二級建築士の合格率は以下の通りです。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
平成29年度 | 23,735名 | 5,763名 | 24.3% |
平成30年度 | 23,533名 | 5,997名 | 25.5% |
令和元年度 | 22,715名 | 5,037名 | 22.2% |
令和2年度 | 22,628名 | 5,979名 | 26.4% |
令和3年度 | 23,513名 | 5,559名 | 23.6% |
出典:建築技術教育普及センター
建築技術教育普及センターのデータによると二級建築士の合格率は25%前後で推移しており、4人に1人の合格率となっております。
二級建築士の試験は学科合格者のみが設計製図の試験を受験することが可能となるため、まずは学科試験の合格が目標となります。
試験3ヶ月前に設計製図のデザインテーマが発表されるため、比較試験対策がしやすいとされています。
令和3年の総合合格率は23.6%ですが、学科試験の合格率が41.9%、製図試験の合格率が48.6%と、製図試験の合格率の方が高くなっており、例年その傾向にあります。
とはいえ、2つの試験をクリアしなければならず、合格率は低くなります。
合格率から見ても、二級建築士の難易度は比較的高いといえます。
二級建築士の難易度が高い理由
- 二級建築士の偏差値は56程度
- 二級建築士の合格率は25%前後で推移(4人に1人の合格率)
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二級建築士の難易度が高い理由
それでは、二級建築士の難易度が高い理由について以下5つのポイントをチェックしてみましょう。
①受験資格が必要
②勉強時間の確保
③2段階制の試験内容
④厳しい合格基準
⑤二級建築士は独学は無理なのか
①受験資格が必要
二級建築士には受験資格が必要となります。
受験希望者が誰でも無条件に受けられる資格ではありません。
建築に関する学歴のない場合は〈7年以上の実務経験が必要〉とされています。
この点で、二級建築士は難易度が高く、受験資格を得ること自体が大変な資格といえます。
ちなみに、建築設備士や大学や高校、職業訓練校等で指定科目を修めて卒業した者は実務経験が最短0年でも受験資格を得ることが可能です。
●建築に関する指定科目一覧●
- 建築設計製図
- 建築計画
- 建築環境工学
- 建築設備
- 構造力学
- 建築一般構造
- 建築材料
- 建築生産
- 建築法規
- その他
卒業した学校によって単位は異なりますが、必要単位に届いていれば〈実務経験0〉で受験が可能です。
しかし、指定科目を履修したものの、必要単位に到達していない場合は1年以上の実務経験が必要とされます。
自分の取得した単位が指定科目に含まれているか不明な方は、建築技術教育普及センターのホームページで確認が取れますのでチェックしてみましょう。
②勉強時間の確保
二級建築士の勉強期間の目安は、建築初学者の場合で1年間、建築系の科目を履修したことのある方で半年間と言われています。
勉強時間で換算すると、二級建築士試験に合格するには約500〜1000時間の勉強時間が必要です。
初心者の場合は少なくとも1000時間は必要となるでしょう。
1000時間となると、1日3時間の勉強時間を確保したとしても約1年の勉強時間が必要となります。
こういった数字にして見ると二級建築士の難易度の高さがうかがえます。
特に働きながらだと主にスケジュール管理やモチベーションにの維持が難しいとされるでしょう。
③2段階制の試験内容
二級建築士の試験は〈学科〉と〈製図〉の2段階制です。
まず、学科試験が行われ、合格者のみが製図試験に進むことが出来ます。
それではそれぞれの詳細について見ていきましょう。
学科試験
二級建築士の学科試験は4種類(学科Ⅰ〜学科Ⅳ)で、それぞれ25問(五肢択一式)から構成されます。
学科Ⅰと学科Ⅱで3時間、学科Ⅲと学科Ⅳで3時間の計6時間です。
二級建築士の難易度が比較的高い理由は、科目数の多さが関係していると言えます。
合格ラインにより、各科目で基準点を得点する必要があるため、4つの科目を満遍なく勉強しなければなりません。
特に学科Ⅲの建築構造と学科Ⅳの建築施工では、新しい傾向の問題が出題されることもあるので、この2科目は特に難易度が高いと言われており、念入りな対策が必要です。
ここからは、二級建築士の試験内容を科目別に解説していきます。
〈学科Ⅰ〉:建築計画
- 計画各論(建築物の環境負荷や車椅子の使用者への配慮など)
- 環境工学(換気や伝熱、室内環境など)
- 建築史(日本建築士や西洋建築史)
- 建築設備(電気設備や照明設備など)
建築計画は、過去問と同様の問題が多く出題されるので、過去問を繰り返し学習することが有効です。
環境工学と建築設備には難問も含まれますので、しっかり対策をしていきましょう。
〈学科Ⅱ〉:建築法規
- 建築基準法
- 建築士法
- バリアフリー法
建築法規は、建築基準法など法規(法令)に関する問題や、計算問題も一部出題されます。
「法令集」と問題文の比較、問題文の正誤を判定する独特な出題形式なので、こちらも繰り返し練習を積んで法令集をものにしなければなりません。
計算問題は、過去問演習を十分にこなす必要があるので、時間をかけて対策していく必要があります。
〈学科Ⅲ〉:建築構造
- 構造力学(断面の性質や応力度など)
- 各部構造(地震力や風圧力など)
- 材料(木材やセメント、コンクリートなど)
建築構造は、二級建築士試験の鬼門と言われています。
「構造力学」「各部構造」「材料」から構成されており、苦手な受験生も多い科目です。
鬼門と言われるほど難しい科目ですが、公式を用いた計算問題は解読パターンが決まっているので、そのパターンを押さえることがポイントとなります。
〈学科Ⅳ〉:建築施工
- 施工計画(ネットワーク工程表や現場管理など)
- 各部工事(土工事や鉄筋工事など)
- 測量
- 積算
- 契約
建築施工は。上記の5分野から構成されており、問題数の多い「施工計画」と「各部工事」の攻略が鍵となります。
建築施工でも、新しい傾向の問題が出題されることがあるので、基本知識をしっかり学習し、応用出来るように対策しておきましょう。
製図試験
二級建築士の製図試験は、学科試験から2ヶ月後に実施されます。
製図試験の内容は、与えられたテーマの設計製図の完成で、試験所要時間は休憩なしの5時間と長丁場の試験となっています。
合格に必要なのは、設計(エスキス)する能力と効率的に製図する能力で、製図でのミスは減点されます。
決められた時間内での作業は集中力も必要となり、慣れない人には大変な作業となりますので、経験が大きく左右する試験となります。
近年の製図試験テーマは以下のようになります。
〈令和3年〉:歯科診療所併用住宅(鉄筋コンクリート造り)
〈令和2年〉:シェアハウスを併設した高齢者夫婦の住まい
〈令和元年〉:夫婦で営む建築設計事務所を併設した住宅
二級建築士は、学科試験・製図試験の2つの試験の合格や、長丁場の試験などが、難易度が高い理由となっています。
④厳しい合格基準
二級建築士の合格基準は厳しいとされています。
その理由としては、学科試験はすべての科目で採点基準をクリアする必要があること、製図試験の細やかな採点基準が挙げられます。
細かいミスが重なり不合格になる可能性もありますので、注意深く試験にのぞむ必要があります。
学科試験の採点基準
二級建築士の学科試験の採点基準は、次のようになります。
- 〈学科Ⅰ〉:建築計画・・・25点で13点を得点
- 〈学科Ⅱ〉:建築法規・・・25点で13点を得点
- 〈学科Ⅲ〉:建築構造・・・25点で13点を得点
- 〈学科Ⅳ〉:建築施工・・・25点で13点を得点
合格ラインは、各科目13点以上の得点が必要(基準点です)で、総合点が60点以上であれば、学科試験に合格となります。
しかし試験の難易度によって基準点が上下することがあるので、あくまで基準点と考えましょう。
製図試験の採点基準
二級建築士の製図試験では以下の項目が採点ポイントとなります。
- 設計課題の特色に応じた計画
- 計画一般
- 構造に関する理解
- 断面構成に関する知識
- 要求図書の表現
- 設計条件や要求図書に対する重大な不適合
これら6項目を採点した後、Ⅰ〜Ⅳの4段階に区分します。
- 〈ランクⅠ〉:「知識」及び「技能」を有する者
- 〈ランクⅡ〉:「知識」及び「技能」が不足している者
- 〈ランクⅢ〉:「知識」及び「技能」が著しく不足している者
- 〈ランクⅣ〉:設計条件・要求図書に対する重大な不適合に該当する者
この中で合格できるものは〈ランクⅠ〉のみとなります。
学科・製図の2つの試験に合格しなければならないという点でも二級建築士の難易度は高く、計画的に効率良く勉強することでより高い合格基準を目指せるでしょう。
●二級建築士試験合格者層●
建築技術教育普及センターが公表しているデータによると、二級建築士試験合格者の受験資格別・職務内容別の属性は以下の通りです。
〈受験資格別〉
区分 | 構成比 |
学歴のみ | 74.5% |
学歴+実務 | 8.7% |
実務のみ | 16.2% |
建築技師のみ | 0.6% |
〈職務内容別〉
区分 | 構成比 |
建築設計 | 29.1% |
施工現場管理 | 22.3% |
学生・研究生 | 20.2% |
技能労務(大工等) | 4.6% |
工事管理 | 3.2% |
その他(営業・積算・見積等) | 20.6% |
受験資格別データを見ると、受験者の大半は実務経験なしで受験することがわかります。
また職務内容別データからは、学生・研究生の受験者が比較的多いとみて取れます。
二級建築士は難易度は高い資格ですが、計画的に効率よく学習することで合格を目指せます。
⑤二級建築士は独学は無理なのか?
ここまでで二級建築士の難易度が高そうだと感じた方も少なくないでしょう。
「二級建築士は独学では無理なのか?」
「独学での合格率は?」
独学で二級建築士を目指す人は、不安がよぎりますよね。
二級建築士の学科試験は独学でも合格を目指せます。
二級建築士の学科試験の出題傾向は例年大きくは変わらないと言われています。
そのため、試験対策がしやすいので、独学でも勉強法さえ間違えなければ問題ないでしょう。
しかし、二級建築士の試験勉強はかなりの長丁場となるので、きちんと学習スケジュールを立て、計画的で効率的に学習を進めていく必要があります。
二級建築士の難易度が高い理由でもある「モチベーションの維持」が、独学では特に難しくなります。
日々の学習でノルマを設けたり、小さくても達成感を味わうことで、モチベーションアップに繋げましょう。
また、独学ではテキストや過去問、法令集を使って学習していくことになりますが、疑問点を相談できる相手を見つけておくことは、試験勉強をスムーズに進めるにあたり大切になるでしょう。
製図試験に関しては、独学だと難しいと言われています。
製図試験の対策としては、公開されている模擬解答を確認し、徹底的にパターンを身につけることが必要です。
図面を繰り返し書くことで、設問条件の読み解き、構想をしっかり図面にできる練習をし、重要なポイントである、エスキス(設計)作業を習得しなければなりません。
エスキスを独学だけで学習するのは難しく、製図コースの通信講座などを利用している人も多いです。
製図の間違いを自分で見つけるのは簡単ではありません。
通信講座なら、講師のチェックや、質問ができる環境など、独学のデメリットを大きくカバーしてくれることが期待できます。
学科試験、製図試験ともにスムーズにクリアするためには通信講座などを活用することをおすすめ致します。
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二級建築士と他資格との比較
それでは二級建築士と他資格との比較を以下表で確認していきましょう。
比較項目 | 二級建築士 | 宅地建物取引士 | 土地家屋調査士 | 木造建築士 | 一級建築士 |
合格率
|
23.6%(令和3年度試験) |
17.9%(令和3年度試験) | 10.47%(令和3年度試験) | 33%(令和3年度試験) | 9.9%(令和3年度試験) |
偏差値 | 56 | 57 | 64 | 不明(56未満) | 66 |
勉強時間 | 500〜1000時間 | 200〜300時間 | 1000時間 | 300〜400時間 | 1500時間以上 |
受験資格 | あり | なし | なし | あり | あり |
宅建と二級建築士
宅建とは、宅地建物取引士のことで、不動産取引の専門家です。
宅地士として不動産売買や賃貸物件の顧客へ案内する際に、登記・不動産の広さ・飲料水/電気/ガスの供給施設など、不動産契約の根幹に関わる「重要事項の説明」をすることのできる資格です。
<宅地建物取引業>を簡単にまとめると以下となります。
・宅地、建物の売買または交換
・宅地、建物の売買、交換または貸借の代理
・宅地、建物の売買、交換または貸借の媒介
宅建は、受験資格が設けられておらず、誰でも資格取得を目指すことができます。
令和3年度の二級建築士の受験者数が23,513人なのに対し、宅建の受験者数は209,749人で、日本で1番人気の国家資格とも言われています。
偏差値は57と、二級建築士と変わりませんが、必要勉強時間が200〜300時間と比較的短く、試験は学科試験のみ(2時間)なので、より多くの人に挑戦しやすい資格であることがわかります。
合格率は17.9%(令和3年度10月分)と低いですが、受験者数の多さから合格率が低くなっていると考えられます。
難易度としては二級建築士より宅建の方が高くみえますが、受験資格の厳しさや試験範囲を比較すると、二級建築士の方が、難易度は高いと言えそうです。
ちなみに、二級建築士と宅建の資格をダブルで取得しておくことで、不動産に関する総合的な知識が身につき、顧客に対して様々な視野から提案が出来るようになります。
そのため、不動産業界では非常に貴重な人材として評価され、様々な企業から重宝されるでしょう。
具体的な相談例としては、建築士の知識を生かして建物に関する技術的な提案をして、宅建士の知識を生かして売買後の法律関係や資産としての活用方法などを提案できるようになります。
また、宅建士と建築士試験の出題範囲の重複が多いため勉強しやすい点もメリットです。
土地家屋調査と二級建築士
土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記に必要な土地や家屋を調査する専門家です。
主な仕事内容は、不動産の物理的状況を正確に反映させるための調査や測量、登記の申請手続きを代理で行います。
土地家屋調査士の試験合格率は一級建築士同様、難易度が高いとされていますが、受験資格などは特に設けておらず、誰でも受けることのできる資格となります。
土地家屋調査士は、偏差値も64と高く、勉強時間が1000時間、試験内容も「平面測量・作図試験」「学科試験」「口述試験」と3つの試験形式があり、難易度の高さが伺えます。
二級建築士の資格取得者は、土地家屋調査士試験の「平面測量・作図試験」が免除となります。
土地家屋調査士と二級建築士のダブル取得で、設計から登記までできるようになります。
キャリアアップのためにも、二級建築士に合格した際には、土地家屋調査士の資格取得に挑戦してみてはいかがでしょうか!
木造建築士と二級建築士
木造建築士は木造建築物の工事や修繕ができる国家資格です。
小規模な木造建築物の設計・工事管理ができるので住宅や歴史的建造物の工事に携わることもできます。
合格するには、一級建築士や二級建築士と同じく、「学科試験」と「製図試験」に合格しなければなりません。
木造建築士は二級建築士と共通する内容が多い資格なのですが、大工の専門知識が必要となります。
合格率に関しては、33%(令和3年度試験)と二級建築士よりも高い基準となりますが、二級建築士と異なった難しさがあるので、木造建築士の資格を取得を目指す方はきちんと対策をすることが大切です。
受験資格は同じで、試験内容も似ているのですが、勉強時間は300〜400時間と、二級建築士(500〜700時間)より少ないので、合格率から見ても、難易度は二級建築士の方が高いと言えそうです。
受験者数は令和3年度で731人と少なく、同じ受験資格を持った上では、二級建築士の方が人気の資格であることがわかります。
一級建築士と二級建築士
難関資格として知られる国家資格の一級建築士。
建築物の規模に関係なく、設計や工事管理が可能なため、戸建住宅から競技場、高層マンション、大型商業施設、道路、橋まで幅広い建築物を手掛けられます。
仕事の幅が広くなる分、一級建築士は二級建築士に比べて難易度がさらに高くなります。
一級建築士と二級建築士ではそもそも資格概要が異なります。
一級建築士は国土交通省から交付される資格であるのに対し、二級建築士の資格を交付するのは各都道府県知事です。
令和3年度試験の合格率は9.9%で、試験の出題範囲が広くなって知識量が試されます。
また一級建築士と二級建築士では受験資格も異なります。
一級建築の受験資格は以下の〈建築に関する学歴または資格〉を有するものに与えられます。
・大学、短期大学、高等専門学校、専修学校等において指定科目を修めて卒業したもの
・二級建築士
・建築整備士
・その他国土交通大臣が特に認めるもの(外国大学を卒業したもの等)
つまり、二級建築士の資格を取得した人は一級建築士の受験資格があるということですね。
一級建築士を目指す人にとっても二級建築士の資格取得は必須ということです。
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二級建築士の資格取得のメリット
難易度の高いとされる二級建築士の資格取得のメリットを見ていきましょう。
二級建築士は難易度の高い資格ですが、二級建築士には大きなメリットがあります。
- 安定した年収が望める
- 就職や転職に有利
- キャリアアップにつながる
安定した年収が望める
二級建築士の年収は300〜700万円程度と言われているように、収入には大きな格差があるようです。
しかし、安定した収入を望むのであれば、建築事務所などに就職することをおすすめします。
建築会社や設計事務所では、二級建築士などの建築士資格を取していることが昇給や昇格の要件になっているところもあります。
建築物の規模が大きくなり、より高い専門性が必要になると、知識や経験が豊富な方にしか仕事を任せられません。
二級建築士の資格を持っていることが豊富な知識を持っている証明となるため、より重要な案件を任され出世に繋がるというような好循環が発生するのです。
二級建築士の資格は建築業界以外でも、不動産売買の世界でも知識を役立てることができます。
また、二級建築士の資格があれば、信用度が高まるため。独立して開業することも夢ではありません。
開業して経営が波に乗れば二級建築士でも年収1000万以上も目指せます。
現在建築業界などで働いており、将来的な独立開業を目指している場合は資格取得を前向きに検討しましょう。
なお、建築士事務所登録にあたって以下のような要件をクリアしている必要があります。
・事務所となる場所がある
・管理建築士が常勤
・陶器の目的に「建築物の設計・工事監理」が含まれる
監理建築士とは建築事務所を管理する建築士のことで、管理建築士は建築士でなければなることが出来ません。
なお、開業した建築事務所は管理建築士の等級によって、
〈一級建築士事務所〉
〈二級建築士事務所〉
〈木造建築士事務所〉
に分けられます。
一級建築士が最も信頼性が高いため、将来的に独立を目指しているなら、一級建築士資格を取得するべきです。
また独立開業することで、定年という概念が消えて元気である限り生涯現役で働くことができます。
特に近年では働くシニアが増えており、65歳以上でも適度に働くことが認知症の予防や健康の維持に役立っているという研究結果も出ています。
つまり、独立開業していつまでも働くことで、収入源の確保などの金銭的なメリットがあることに加えて健康の維持にも役立つのです。
年金に関する不安なニュースが多い現代において、独立開業することのメリットは非常に大きいと言えるでしょう。
就職や転職に有利
二級建築士は需要が高い資格なので取得しておくことで、就職や転職で有利となるでしょう。
もし、建築士として活躍したいようであれば、〈建築施工管理技士〉や〈福祉住環境コーディネーター〉の資格も合わせて取得するといいでしょう。
建築施工管理技士とは?
建築施工管理技士は、建築現場において、主任技術者もしくは監理技術者として、施工管理や安全確認を行うのに必要な資格です。
建築士と同様に、一級・二級があり、一級建築施工管理技士はあらゆる規模の工事に携わることができます。
二級建築士の資格があれば、一級建築施工管理技士の受験資格が得られるので、資格取得に挑戦できます。
過去3年における一級建築施工管理技士の合格率です。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和元年度 | 25,392人 | 10,837人 | 42.7% |
令和2年度 | 22,742人 | 11,619人 | 51.1% |
令和3年度 | 22,277人 | 8,025人 | 36.0% |
福祉住環境コーディネーターとは?
福祉住環境コーディネーターは、高齢者や障がい者に対して住環境を提案するアドバイザーです。
医療や福祉、建築に関する幅広い知識を身につけて、各種の専門職と協力しあい顧客にとって住みやすい住環境プランをアドバイスします。
高齢化によって福祉分野の需要が高まっているので、この先も重要な資格と言えるでしょう。
福祉住環境コーディネーターには受験資格がないので、誰でも資格取得を目指すことができますが、一級を受験するには二級に合格する必要があります。
過去3年間における福祉住環境コーディネーター二級の合格率です。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和元年度 | 19,535人 | 7,366人 | 37.7% |
令和2年度 | 11,729人 | 5,043人 | 46.8% |
令和3年度 | 11,121人 | 7,201人 | 67.8% |
一級建築施工管理技士の合格率は40〜50%前後、福祉住環境コーディネーター二級の合格率は40〜60%なので二級建築士の合格者であれば難しくはないでしょう。
建築関係の仕事は実務経験が非常に重要なため、40代を超えている方であっても資格取得者の価値は非常に高いのです。
キャリアアップに繋がる
二級建築士のメリットは、件数的に圧倒的に需要のある住宅設計のスペシャリストになれる点です。
住宅設計以外でも不動産の営業や管理などの仕事をする際にも資格を活かせます。
建築資材のメーカー、商社、販売会社などの営業部門において、二級建築士は非常に貴重な存在です。取引先の工事担当者や設計担当者と技術的な打ち合わせもできるので、一般の営業担当者より良い給与が得られます。
また、二級建築士を取得すれば、一級建築士の受験資格が得られます。
一級建築士の方が請負える業務が幅広いため、建築士としてのキャリアアップを目指すなら、一級建築士を目指すことをおすすめします。
二級建築士の勤務先は、戸建住宅を扱うハウスメーカー、工務店、住宅リフォーム会社中心であるのに対し、一級建築士はゼネコンや官公庁など、活躍の場が広がり、年収が高くなる傾向もあります。
二級建築士に向いている方の特徴として、二級建築士は戸建住宅をメインに設計するため、住宅を専門に設計していきたいと考えている方には二級建築士がおすすめです。
一級建築士に向いている方の特徴としては、一級建築士はオリンピック競技施設など、国を代表する大規模な建築物の設計や国家的なプロジェクトに関わりたい方、世界を股にかけて活動したい方に適しています。海外で仕事をしたい方にも一級建築士をおすすめします。
また、特にどんな建築物に携わりたいのはこだわりがない方も、一級建築士の資格を取得しておくと良いでしょう。
なぜなら、建築の一般企業は住宅よりも商業施設や公共施設の設計が多いからです。
一級建築士の難易度は二級建築士の難易度に比べると一段と高くなりますが、二級建築士に合格したら、試験勉強の知識を忘れないうちに一級の勉強に取り掛かれるとスムーズに合格を目指せるでしょう。
二級建築士の資格取得するメリット
- 安定した年収が望める
- 就職や転職に有利
- キャリアアップにつながる
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まとめ
二級建築士の難易度についてまとめました。
・二級建築士はそもそも受験資格を得ることが難しい資格
・必要学習時間は1000時間(1年)程
・学科試験、製図試験の両方の合格が必須
・出題パターンはある程度決まっているため、過去問をやりこんでおく
・二級建築士は独学でも取得を狙えるが、より確実な合格を目指すなら講座を利用する
二級建築士の最終合格率は25%前後です。
また合格するには4科目すべてで100点中60点以上をとなけければいけません。
これにより二級建築士は比較的難易度の高い資格とされるでしょう。ちなみに他の建築士資格と比較するなら、木造よりは難しく、一級よりは簡単です。
二級建築士は独学でもある程度対応できる試験ですが難易度は低くないため、長期に渡る勉強を覚悟しましょう。
繰り返しますが、独学での合格は不可能ではないですが難しいとされるため、二級建築士試験対策のプロのサポートを活用することが有効です。
〈通信講座〉を利用することで、試験対策の効率的な進め方や設計製図試験対策など、独学では知ることのできない情報を取り入れることが可能です。
二級建築士は難易度が高めの資格となりますのでプロの力を借りて、効率よく確実に二級建築士試験の合格を目指しましょう!
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