二級建築士って独学でも合格は目指せるのかな?
独学で合格したみんなは、試験日のどれくらい前から勉強したんだろう?
ここでは、木造・コンクリート造・鉄骨造の一般的な戸建住宅を扱うことができる建築物のエキスパート、二級建築士を独学で目指すみなさんに、独学で合格が可能か否かをお伝えすると共におすすめの勉強方法・勉強時間を徹底解説していきます。
また、いつ何を勉強すれば良いのか学習スケジュールもご紹介しますので、勉強の目安にしてください。
二級建築士は独学で合格が可能?
まずは、二級建築士試験について知ることから始めましょう。
- 二級建築士は都道府県知事認定の国家資格で、全国の合格率は25%前後とやや低めです。
- 受験資格は、建築士法第15条において、建築に関する学歴または資格等に応じて、必要となる建築実務の経験年数が定められています。
- 試験は、「学科の試験」と「設計製図の試験」の2つにわかれています。
- 年に1回、各都道府県で行われており、4月頃に受験申し込みをして「学科の試験」は7月「設計製図の試験」は9月に実施となっています。
- 受験手数料は18,500円で、受験申し込みは、原則として「インターネットによる受付」のみとなります。
※「設計製図の試験」は「学科の試験」に合格しなければ受験することができません。
学科の試験
4科目100問・マークシート方式・五肢択一
- 学科Ⅰ建築計画 25問
- 学科Ⅱ 建築法規 25問
- 学科Ⅲ 建築構造 25問
- 学科Ⅳ 建築施工 25問
学科の試験は出題傾向は毎年変わらないため対策がしやすく、合格ラインも60%と低い基準なため独学でも合格が目指せます。
ただ試験時間が「建築計画」と「建築法規」で3時間・「建築構造」と「建築施工」で3時間。
この試験時間の長さから考えても、簡単ではないことがわかります。
確実に合格するためには、慎重に対策を練ってからはじめるのがいいでしょう。
※令和2年の建築士法改正により、学科試験合格後5年間で3回は免除されます。(改正前は期限は3年間で2回の免除でした)
設計製図の試験
近年の試験は、出題者の要求をしっかり読み取り受験者として適切な解答ができる能力があるのかが試されます。
そのためには、課題文を正確に読み取り、出題者の意向を取り入れた建築物の計画・作図をしていきます。
毎年約3か月前に課題が発表されます。
ちなみに直近の令和4年の課題は、保育所(木造)です。
この課題から検討すべき事項をまとめていきます。
- 敷地条件
- 屋外施設
- 述べ面積
- 人員構成
- 要求室 など。
試験時間の5時間で予め発表されている課題について図面を書いていきます。
現在、建設業界で働いていたり、過去に大学などで建築を学んだ経験がある方は充分独学でも合格を狙えますが、建築の知識がまったくない方は、この設計製図の試験は独学では難しいかもしれません。
※学科の試験に合格していることが受験の条件です。
二級建築士試験の全国の合格率は25%前後と低めですが、建築を学んだことがある方なら対策もしやすいため、独学でも充分狙える資格でしょう。
また初学者や経験者でも確実に合格を目指すなら独学だけではなく、苦手なところのみ通信講座などを利用する選択肢もあります。
ここは独学だけで勉強をすることにこだわらず、柔軟に対策を練ってから進めましょう。
二級建築士と同じく建築物のエキスパート、木造建築士。
二級建築士試験と木造建築士試験のどちらを受験しようか迷っている方は、両試験とも受験資格が同じで試験日が異なるため、それぞれの受験申込手続きを行うことで、両方受験することが可能です。
\独学での勉強が不安な場合は通信講座がおすすめ/
二級建築士に独学で合格を目指す勉強方法
ここからは二級建築士の独学勉強方法をお伝えしていきます。
下記3つが基本的な二級建築士独学勉強方法です。
基本的な二級建築士独学勉強方法
- 学科試験はテキストや過去問を繰り返し解く。
- 法規対策は早めに始める。
- 製図試験は手順を叩き込み図面を描くスピードをあげる。
この基本的な勉強方法を軸に、あとはご自身に合うサイトやアプリなどプラスαの勉強方法で合格を目指しましょう。
1.学科試験はテキストや過去問を繰り返し解く
学科の試験はとにかくテキストや過去問題集を繰り返し解いていく!
まず試験当日まで何度も読み続けるであろうテキストや過去問題集。
ご自身が読みやすい、勉強しやすいものを慎重に選んでください。
例えば文字だけではなく、図表などで建築の基本をわかりやすく記されているものがいいのか、それとも基本はおさえてあるから、なるべくシンプルなものがいいのか。
ノートを作らず直接テキストに記載していきたい方は、余白があるものを選ぶなど。ご自身に合うものを探してください。
そして必ず最新版を用意することが大事です。これは法改正があるためです。
また二級建築士学科の試験は、特に「建築計画」・「建築構造」・「建築施工」では出題傾向があまり変わらないのが特徴です。
直近5年以内に出題された問題が出ることが多いため問題集選びは、最低でも過去5年間を載せている物にしてください。
ご自身に合うテキストや問題集を準備したら、まずテキストを読み込み、理解を高めていきます。
そして実際に理解できているか、過去問をひたすら繰り返し解いていくことが大事でしょう。
繰り返し解く中で理解出来ていないところ、ご自身の苦手なところが出てくるので、そこをまた、テキストで復習をする。
各出版社から販売されているテキストは、毎年の対策がしっかりされています。
高得点が狙える問題などもわかりやすく載せてくれているので、勉強時間が足りない方はまず、そこから対策するのがおすすめです。
2.法規対策は早めに始める
苦手意識が出やすい建築法規の対策は、やる気満々の早めの時期に対応が吉と出る!
建築法規とは、問題の選択肢の内容について正誤を「法令集」で調べる問題。
調べて答える問題って一見簡単そうに思いがちですが、この「法令集」に慣れていないと時間もかかり焦ってしまいます。
ただ慣れてしまうと、よく出されるひっかけのパターンやどの辺りに答えが載っているなどが分かり、実はとても得点につなげやすい問題。
とにかく早めから「法令集」の引き方に慣れておきましょう。
仕事と勉強を両立している方などは、勉強時間が取れない日もあるでしょう。
そんな日はテキストは開かなくても「法令集」は、読書をするかのように毎日少しずつでもいいので読み、慣れておきましょう。
使用が認められる法令集(PDF:1,957KB)を参照のうえ、紛らわしいものとならない、または、過剰なものとならないものを準備して下さい。
3.製図試験は手順を叩き込み図面を描くスピードをあげる
とにかく慣れて、図面を描くスピードが合格の可能性を上げる!
設計製図の試験は、3か月前に課題が発表されます。
模範解答をトレースしてとにかく手順に慣れることが基本。
何枚も書いて大幅な減点ミスを防ぐための、スキルを上げることが大事です。
そして条件の読み解き、構想を練り図面に落としていくエスキス。(エスキスとは設計におけるスケッチや下書き、またはプランニングのことを指します。)
過去の課題を見てみると、併用・併設などが多く、これは出題者の要求をしっかり読み取る力があるか、適切な解答ができる能力があるのかが試される内容ですね。
過去の課題
- 2022年 保育所(木造)
- 2021年 歯科診療所併用住宅(鉄筋コンクリート造)
- 2020年 シェアハウスを併設した高齢者夫婦の住まい(木造2階建て)
- 2019年 夫婦で営む建築設計事務所を併設した住宅(木造2階建て)
- 2018年 地域住民が交流できるカフェを併設する二世帯住宅(鉄筋コンクリート造・ラーメン構造3階建て)
二級建築士試験は「学科の試験」に比べて、「設計製図の試験」は、製図を学んだことがない方にはかなり難しいため、ここは無理をせず、通信講座を受講するのがおすすめです。
通信講座なら文字だけでは理解が難しいところも、動画で学ぶことができ、時間を有効に使うことができます。
スクールにもよりまずが、(学科のみの講座)・(製図のみの講座)・(学科と製図のセットになっている講座)などがあります。
学科は独学で、製図のみ通信講座を利用するなど、臨機応変にご自身の都合に合う勉強方法を見つけていきましょう。
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二級建築士の勉強にサイトやブログの活用がおすすめ
ここではスキマ時間にできる、サイトやブログを活用したおすすめの勉強方法をご紹介します。
上記の3つの勉強方法で基本的な軸を作り、あとはサイトやブログを活用して違う勉強方法で、気分を変えながら学んでいきましょう。
この勉強方法はまず何より、テキストなど持参せずにスマートフォン1台だけでも可能な勉強方法なので、スキマ時間におすすめです。
ある程度知識がある方なら、紙媒体のテキストや問題集を買わなくても済むかもしれません。
それくらい無料の範囲内でも充分に、様々な情報を知ることができます。
また過去問を解いて、すぐに答え合わせができ、解説まで読むことができます。これを使わない手はないですよね。
いくつかおすすめのサイトとアプリを、ご紹介しますので参考にしてください。
おすすめサイト①二級建築士WEB問題集2022
引用元:二級建築士WEB問題集2022
二級建築士WEB問題集2022
http://www.kentikusi.com/2k/2sindan/index.html
スマートフォンでもチャレンジできる「有限会社 建築士.com」による無料で使用できるありがたい問題集
- スマートフォンを横向きにして使用するのがおすすめ
- 問題項目を選択してWEB問題開始をクリックすると問1から問題開始
- 構造の計算問題はノートに計算式を書く
- 解答に当たって誤っている記述は×・誤っていない記述は〇にチェック
「建築計画」「建築法規」「建築構造」「建築施工」に分かれてあるので、今日はこの科目を集中的にやろう!などの勉強がしやすい。
攻略のポイントが文字だけではなく図表や写真などで詳細に解説されている。
答えてすぐに正解の確認ができるためサクサク進められる。
建築用語の検索ができるボックスが各解答ページにあったり、今まで固定だった問題の出題順を最近ランダムに変更されていたり、使用する側のことを考えてある、とてもありがたいサイト。
おすすめサイト②建築士.com
引用元:建築士.com
建築士.com
http://www.kentikusi.com/site.htm
勉強だけじゃない、孤独な独学者にありがたい、最新の情報もみることができるサイト
上記でご紹介した問題集と同じく「有限会社 建築士.com」によるサイトで、独学で二級建築士の試験に挑戦する人を無料で応援してくれる。
- スケジュール
- 二級建築士試験の受験資格
- 独学カリキュラム
- WEB問題集(上記でご紹介した問題集です)
これ以外にも、初学者にありがたい製図道具についても紹介されており、気に入れば、そこから購入もできる。
最新の試験についての情報もみることができるため、スケジュール管理の手助けにもなり、またかなり細かく書かれている独学カリキュラムなども参考になるでしょう。
おすすめのテキストや問題集、法令集も紹介されていて無料でいいの?思えるサイト。
おすすめサイト③建築士!勉強法ナビ
引用元:建築士!勉強法ナビ
建築士!勉強法ナビ
https://kentikusi.spitz8823.com/
建築士合格を独学で挑む際に必要な勉強法などを紹介してくれるサイト
- WEB問題集 スマホ対応なので電車の中でも勉強が可能
- 勉強法 独学で合格に導く勉強法をアドバイス
- 合格の秘訣 建築士に合格する為に心掛けることを伝授
- 建築用語集 難しい用語が多い建築用語をわかりやすく解説
- コラム 建築士試験のこと、建築士の仕事のことなども紹介
ランダム出題の問題集や、専門学校で聞いた話も紹介されており、独学で頑張る時にとても役に立つ情報が満載
独学以外の勉強法も選択肢に考えたほうがいいなど、自分に合った勉強法チェック
製図の試験に向けての勉強方法にプラスで持ち物リストもあり、とてもありがたいサイト
おすすめサイト④建築士育成専門会議
建築士育成専門会議は、建築センター公認の建築士試験過去問題無料解説サイトです。
引用元:建築士育成専門会議
建築士育成専門会議〜建築センター公認の建築士試験過去問題無料解説サイト
過去問13年分を無料で閲覧できる、建築士試験に限定した資料集サイト
「建築計画」「建築法規」「建築構造」「建築施工」に分かれてあるので、今日はこの科目を集中的にやろう!などの勉強がしやすい。
問題に対しての特徴なども記載されている。
過去の合格基準点や、受験者数・合格者数・合格率までも閲覧できるため対策の参考になる。
独学で重要な紙媒体学習についても、コスパとクオリティの面で紹介してくれています。
初めて訪問する際は、過去問の閲覧に必要なパスワードを取得する必要がありますが、無料で公開されています。
おすすめアプリ①2級建築士受験対策
ポイント・ios無料 Android無料 (アプリ内購入あり)
1級建築士が作った問題集だけあり手軽に学習できるのに、しっかりと復習も可能なアプリ。
過去18年分(平成16年〜令和03年)の問題数の豊富さが魅力。
「計画」「構造」「施工」の分野から、
・過去問題「1,102問」
・正誤問題「3,264問」
が収録されています。
独学者の中には勉強はこれだけで、合格できたなどの口コミもあるくらい、充実した内容。
こちらのアプリと過去問と総○資格テキスト1冊を使いました。
日○学院の本試験結果の分析ですと、応用力がイマイチの結果でしたが、
計画20 法規19 構造19 施工17 の、合計75点でした。
アプリは○×問題を3〜4周したと思います。
苦手な項目は5周以上しました。
○×問題→過去問(アプリ内の)という順序ですすめてました。
構造は元々得意でしたので、過去問を繰り返してクリアできました。
イラストや図が少なめなので、わからない用語のイメージが湧きにくく、毎回わからないワードが出たらググるかテキストを見ていました。
また、こちらのアプリには法規がないのですが、過去問のみの勉強で合格できました。
コスパがとても良いので大満足です。
ありがとうございました!引用元:「2級建築士」受験対策」をApp Storeで (apple.com)
授業が済んだ分野は7〜8割解けるので、過去問やってれば合格圏内に届くような気がします。3ヶ月ほどで二級の勉強は終わらせて、一級の勉強に取り掛かりたいですねー!引用元:Twitter
おすすめアプリ②e-建築用語集
ポイント・ios無料 Android無料合格実績NO1指導校・総合資格学院の建築用語集アプリ。
最新の試験傾向にあわせて厳選。実績で本当に使える重要な用語150語を収録。
Point.1<便利!>
- アイコンタップですぐに学習開始!
- 簡単操作!用語一覧ページは50音順で分類されていて、見たい用語がすぐに見つかる!
- 前回学習したところからすぐに学習を再開できる
- 気になった用語を登録できる「ブックマーク」
- 試験の最新情報をお届けする「お知らせ」通知
Point.2<学習効率アップ!>
- 「問題集モード」で学習した用語の確認ができる!
- 問題集モードでは問題をランダムで出題可能!
- チャレンジした問題は解答履歴で成績確認
Point.3<充実!>
- 詳細な解説はもちろん、すべての用語に出題例つき!
すべて無料!合格実績No.1指導校「総合資格学院」の建築用語集がアプリ化!
厳選した670語(新傾向用語200+重要用語470)を収録!
毎日のスキマ時間を有効活用しよう! 引用元:Twitter
ここで紹介した以外にも、独学ではどうしても乏しくなってしまう、新しい情報取得にSNSを利用している方も多くいます。
また、独学だと孤独との闘いのように思えますが、過去に合格した方や、一緒に二級建築士試験合格を目指している方とTwitterなどで繋がって情報共有して、モチベーション維持をするのもおすすめです。
諦める前にサポート体制充実の
\通信講座を検討してみては?/
二級建築士に独学で合格を目指すために必要な勉強時間
合格するために必要な勉強時間の目安について
- ある程度基礎知識がある場合:合計500時間程度
- 初学者は合計1000時間程度
合格するために、やはり気になる勉強時間についてここではお伝えします。
二級建築士を独学で合格するために、どれくらいの時間の目安が必要なのかは、正直なところ、ご自身の経験により個人差があります。
時間で換算すると知識がある程度お持ちの方は、合計500時間。
初学者は合計で1000時間くらいが目安となります。
もちろん、この目安となる時間にだた勉強していれば合格できる訳ではありません。
例えば早めから慣れておくことが必要な「建築法規」の対策を前半に集中して学び、暗記するものは後半に集中してやる。
時々気晴らしも含め、効率よく続けていけるかが合格へ繋がるということです。
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二級建築士試験までの独学スケジュール
試験日までのスケジュール管理は合格への大きな第一歩
独学で二級建築士合格を目指すには、自ら考え学ぶという行動をひたすら続けていかなくてはいけません。
え?そんなの大変そう!!
自分にできるのかな?
と思うかもしれません。
しかし、仕事をしながら資格取得を目指す方など、ご自身のペースで学んでいきたいと思っている方は実は多く、実際に毎年独学で合格している人も多くいます。
では二級建築士を独学で合格できている人の共通点とは何でしょう。
それは実はとてもシンプルで、途中で諦めず続けていくこと。
その為にもまず大事なのは、このスケジュール管理です。
学科は多岐にわたりおぼえることが多く、図面の作図に慣れるにも時間がかかります。
みなさんそれぞれの、ライフスタイルに合わせて、組み立てていきましょう。
初学者の方は、まず「学科の試験」に受かることに集中してください。
もし短期間で挑戦したい方や、仕事と勉強を両立させたい方は、平日の通勤時間に、スマートフォンなどを利用して学科の試験対策をして、休日にはじっくり製図の試験対策をするなど工夫が必要です。
ただ詰め込みすぎるとできなかった時に、続けていくのが嫌になってしまうため、余白を持たせ、時には気晴らしの日を作るのがおすすめです。
二級建築士の試験は毎年同じ時期に行われています。
逆算して計画的に準備を進めていきましょう。
試験日概要
ではまず、二級建築士試験当日について。
ただでさえ緊張する日、勉強は完璧でも当日に本領発揮できなければ、意味がありません。
体調管理はもちろん、なるべく落ち着いた心を保つようにしましょう。
おっとその前に、試験当日と同じくらい大事なことが!!
それは二級建築士試験の受付期間です。
毎年4月に、原則として「インターネットによる受付」のみとなっています。
試験を受けるための受付をする。
当たり前のようですが、この受付期間が4月。新年度ということで誰もが忙しい時期。
後でやろう。明日やろう。
とつい先延ばしにして、せっかく勉強をはじめていたのに、受験申し込みの受付が終了していて、受けられなかった!!なんてことにならないようにしましょう。
インターネットによる受付は新規受験を含めたすべての方の受付が可能です。
また身体に障害がありインターネットの利用が困難である場合などは別途受付方法があります。
まずは、しっかり受付方法を確認して期間内に受付を完了させましょう。
次に試験の日程について。
二級建築士試験の試験日程は、「学科の試験」・「設計製図の試験」と2つにわかれています。
例外の年度もありますが、ほぼ以下の日程で行われます。
・学科試験→7月第1日曜日
・製図試験→9月第2日曜日
「設計製図の試験」は「学科の試験」に合格しなければ受験することができません。
*製図試験は建築技術教育普及センターにより試験の約3か月前に試験課題が公表されます。
https://www.jaeic.or.jp/shiken/2k/index.html (建築技術教育普及センター 二級建築士試験)
日程の確認ができたら次は試験会場の下見にいきましょう。
これは、当日に試験以外の不安要素を無くすためにかなりおすすめです。
二級建築士試験の会場には、駐車場はありません。
そのため普段から車で行き慣れている会場でも一度足を運んで、交通機関の確認をしておきましょう。
試験日は夏なので、雪で電車が止まるなどの心配はありませんが、台風などの影響がでる可能性もあります。
2つくらいの行き方を把握しておくとさらに安心でしょう。
また都道府県にもよりますが、大学が会場になっているところも多いです。
大学はとても広く、入り口が数か所あったり、建物もたくさんあります。
受験票に明記されている、試験会場の建物の場所を、正確に確認しておきましょう。
ここから、試験当日の流れについてお伝えしていきます。
会場で注意事項などの説明はありますが、事前にこの日の流れなどを把握しておくと心に余裕がもてますし、勉強をしていく中でも重要な当日のイメージがつかみやすいです。
受験票はマイページからダウンロードしたものを印刷して持参(スマートフォンの画面上の受験票では試験が受けられません)
また試験当日に本人確認をする場合があるので、身分証明書の持参もお忘れなく。
・学科試験→7月第1日曜日
二級建築士試験・学科の時間割
- 注意事項説明・法令集チェック(25分)9:45~10:10
- 学科Ⅰ 建築計画 25問 学科Ⅱ 建築法規 25問(3時間)10:10~13:10
- 休憩(1時間)13:10~14:10
- 注意事項説明(10分)14:10~14:20
- 学科Ⅲ 建築構造 25問 学科Ⅳ 建築施工 25問(3時間)14:20~17:20
学科の試験で「学科Ⅰ・Ⅱ」の欠席者は「学科Ⅲ・Ⅳ」の受験は認められないので注意しましょう。
・製図試験→9月第2日曜日
二級建築士試験・製図の時間割
- 注意事項説明(15分)10:45~11:00
- 設計製図(5時間)11:00~16:00
学科の試験に合格した人のみ製図の試験を受けることができます。
学科の試験も、製図の試験もかなり時間が長いのが特徴ですね。
試験中にトイレに行きたくなってしまう可能性も考えて、軽めの食事にし、水分の取りすぎにも注意してください。
学科の試験の1時間休憩の過ごし方も、とても大事です。
つい午前中の試験の答え合わせをしたくなりますが、まだ午後があります。
とにかく午後に向けてなるべく身体を動かして、脳をリラックスさせましょう。
そして大事な昼食。あまり食べ過ぎてしまうと睡魔に襲われたり、午後にトイレに行きたくなるので、おにぎりやサンドイッチを少量。
または、固形ではないゼリーのようなエネルギーの多い物もおすすめです。
最近ではコンビニエンスストアでも見かけるエナジーバーもいいですね。
1時間の休憩時間はあっという間です。午後の試験の最終確認もしながら食べることになるため、なるべく片手で食べられて、満腹になりすぎないようにしましょう。
好みにもよりまずが、「集中力が上がる」「脳の活性化ができる」とよく言われるチョコレートを食べるのもいいですね。
また配布された試験問題は、必ず持ち帰りましょう。
二級建築士試験速報を、公開しているサイトがいくつかあるため答え合わせができます。
その結果により、「設計製図の試験」に向けての準備ができます。
ただ持ち帰りは、終了まで試験室に在席した方に限るため、終わったからと早めに退席しないように注意が必要です。
学習スケジュール
試験当日のイメージがつかめてきたところで、ここからはその日に向けて、実際にどう勉強を進めていくのが効率的かご紹介していきます。
それぞれ受験する方の経験によるため初学者と知識がある程度ある方と分けてご紹介していくので、ご自身の経験に近い方を参考にしてください。
初学者の場合
初学者に必要な総合勉強時間は1000時間位。
その中でも、まず突破しないといけない「学科の試験」に要する勉強時間は700~800時間程度必要です。
おすすめのスタート時期はズバリ1月。
みなさんも経験上、年始というのは目標を決めて今年こそは充実させようと意気込んでいますよね。
最新のテキストも1月に発売されることが多いので、新たな年に、新たなテキストを購入して、まずはいいスタートダッシュにしましょう。
12月 学科の試験勉強をはじめるための準備をする。
ちょうど年末の大掃除も時期でもあるので、集中して勉強できる空間づくりをしましょう。
1月からの新しいカレンダーやスケジュール帳に、試験の申し込み期間・試験当日に必要なものなどを確認して記載しておくといいでしょう。
そして上記でも記載したように、合格への第一歩!無理のない、続けられるスケジュール管理をはじめていきます。
まず既に決まっている仕事や家族の予定などを考慮してスケジュール管理をしていきます。
そしてそれ以外1日の中に、ご自身がどれくらい勉強時間を作り出すことができるかを、実際に勉強をはじめる前に知ることが大事です。
通学講座に比べて独学は、場所が自宅で行うことも多く、講師の先生がいるわけでもないため時間の管理はとても大事です。
好きな映画鑑賞やゲームなどの誘惑が多く、あっという間に時間が過ぎてしまい、勉強が捗らなかったなんてことにならないように注意しましょう。
その為にも、何となくのスケジュールではなく、先に勉強時間をしっかり入れていきます。
1月 学科試験の勉強をはじめる。
最新のテキストや問題集、法令集を購入し、まずは全体をみて7月の学科の試験までに勉強を終えることをイメージしていきます。
そして早速ですが、法令集を毎日引く習慣をつけます。
何度も引いてみて、自分はでどんな法令集だと見やすいか、色ペンやインデックスシールなどを利用してオリジナルのお気に入りの法令集を作ります。
この自分のお気に入り法令集作り、実はけっこう重要です。
もしかすると、勉強途中でもっとこうした方が見やすいなど、変わる可能性もあるので、消せるペンや剝がしやすいシールなどを利用するといいですね。
こんな風に半年以上かけて、毎日開く法令集。
後半には、どの辺に何が載っているかわかってきているでしょう。
少し焦ってきている時期の勉強もはかどりますし、愛着も出てくるので当日には、お守り代わりにもなります。
2月から4月 それぞれの科目の特徴を掴む。
法令集を引くという勉強はここから毎日15分でもいいので、やっていきましょう。
それ以外の科目は1日に1科目。例えば曜日別で進めていくのがいいですね。
4月には二級建築士試験の申し込みが始まります。
ギリギリで焦らないよう早めから準備をして余裕をもって行動しましょう。
5月 少し気分転換しながらの勉強をしましょう。
そろそろ勉強に疲れてきたり、あるいは飽きてくる頃。
世の中もゴールデンウイークがあるため、受験生に誘惑な情報を目にしますよね。
ここは少し気分転換をして脳をリフレッシュさせるのにいい時期です。
また、12月に作成したスケジュール予定通りに進められていない方は、ここで調整をしましょう。
6月 ここからはラストスパート。
平日は、すべての科目を強化していくため、とにかく繰り返し暗記をしていきます。
休日を使って試験当日と同じ時間帯に、過去問を解いて時間配分を掴んでおきましょう。
また受験票が発送される時期です。改めて試験当日の日時・場所、持ち物の確認をしておきましょう。
7月 学科試験を受験。
とにかく試験当日に向けて睡眠をしっかりとり、体調管理を優先しながら最終確認をしていきましょう。
つい睡眠時間がもったいないと焦ってしまいがちですが、暗記したことは睡眠中に脳が整理してくれると言われています。
やるだけのことはやったと思うので、あとは自分を信じましょう。
そして無事、学科の試験を終えたら必ず自己採点をしましょう。
学科の試験の合格発表は8月なので、それを待ってからでは「設計製図の試験」対策に間に合いません。手ごたえがあれば「設計製図の試験」勉強を始めましょう。
製図試験に必要な道具の準備も早めに確認しておくと気持ちが楽になります。
通信講座を利用する方は、なるべく早めに申し込みましょう。
8月 製図試験の勉強ラストスパート。
通信講座を申し込んだ方ならそのスケジュール通りに、なるべく進めていきましょう。
スクールにもよると思いますが、添削も受けられるなら、たくさん利用し、わからないところはすぐに質問しましょう。
独学で勉強をしている方は、身近に図面がわかる方がいれば、アドバイスをお願いするのもいいでしょう。
「学科の試験」の合格発表があります。
晴れて合格していた時は、思いっきり自分を褒めてあげましょう。
その後「設計製図の試験」に向けて必要な手続きを忘れずに行いましょう。
9月 製図試験を受験。
学科の試験と同様に、とにかく試験当日に向けて睡眠をしっかりとり、体調管理を優先しながら最終確認をしていきましょう。
12月 設計製図の試験合格発表。
待ち遠しかった合格発表です。
無事合格した方、とにかくおめでとうございます!
もし不合格だった方、残念でしたが、まだ諦めないでください。
二級建築士試験には、学科の試験が合格している方が、もう一度チャレンジしやすいように学科免除制度があります。
※令和2年の建築士法改正により、学科試験合格後5年間で3回は免除されます。
学科の試験がない分、次は製図の試験だけに集中できるため一気に合格の可能性も上がります。
\独学での勉強が不安な初学者は通信講座がおすすめ/
知識がある程度ある方の場合
知識がある程度ある方が必要な総合勉強時間は、500時間位と言われています。
その中で「学科の試験」に要する勉強時間は、300時間程度必要です。
どのくらい知識があるかにもよりますが、おすすめは4月からスタートです。
年度初めのため、職場の異動や家族の都合により、生活スタイルが変わる方もいるかもしれません。
その中で、はじめるのは厳しいように思いますが、逆にその変化の中に勉強時間を組み込んで新しい生活スタイルをつくっていきましょう。
少しでも知識があるなら、そこまで負担にはならないと思います。
3月 勉強をはじめる前に、ご自身の知識量を確認しておきましょう。
この頃に毎年試験日の日程が発表されます。
逆算して残りの日数がはっきりしたところで、準備をはじめていきます。
今現在、ご自身がどれくらい知識があるのか、まず勉強を始める前に過去問を解いてみて、どの科目に勉強時間を使うべきなのかを確認していきます。
そして、4月からはじめられるように、スケジュール管理をしていきます。
上記でも記載したように、合格への第一歩!無理のない、続けられるスケジュール管理をはじめていきます。
4つの科目の中で、ご自身の得意なもの、苦手なものを明確にし、当たり前ですが、その苦手なところに時間を多く使います。
ただ得意だと思っている科目も安心し過ぎは禁物です。
時間があまりとれない日は、得意科目の勉強をして今以上に得意にする。
苦手な科目は休日など、時間がとれる日に徹底的に集中して勉強をして苦手を減らす。
また試験の申し込み期間は来月です。必要な物など直前に慌てないように準備をしましょう。
4月 学科試験の勉強をはじめる。
過去問を解いてご自身の苦手なところが思っていた以上にあり、少し不安に思っている方もいるかもしれません。
でもこの4月に、そこに気付けることが、合格へ繋がる大事なことです。
サイトやアプリなどもうまく利用して、スキマ時間に勉強する習慣をつくります。
ある程度知識があるということは、学んだことがない科目でも、テキストを読んでみたら知っている内容と繋がって勉強が楽しく、思っていた以上に捗ったりします。
また、二級建築士試験の申し込みは4月になります。忘れずに申し込んでくださいね、
5月 バランスよく勉強していく。
苦手な科目もある程度勉強が進んだと思います。
ここで再度、過去問を解いて、どれだけできるところが増えてきたか、3月にやった時の自分と比べてみます。
もしかなり勉強がうまくいっている結果の時は安心しますよね。うまくいってますのでこのまま続けていきましょう。
逆に思っている以上にできていない場合は、勉強時間や勉強方法を見直しましょう。
今まで仕事から帰宅して勉強をしていた方は、早起きして朝の30分だけ勉強をするなどの工夫をしてみましょう。
6月 ここからはラストスパート。
ここからは、すべての科目を強化していくため、とにかく繰り返し暗記をしていきます。
特に出題傾向が変わらない「建築計画」・「建築構造」・「建築施工」を中心に暗記していきましょう。
休日を使って試験当日と同じ時間帯に、過去問を解いて時間配分を掴んでおきましょう。
もし学科の試験に余裕があるようでしたら、設計製図の課題が発表されますので、少しずつ製図についての勉強をしていきましょう。
製図試験に必要な道具の準備も早めに確認しておくと気持ちが楽になります。
また受験票が発送される時期です。改めて試験当日の日時・場所の確認をしておきましょう。
7月 学科試験を受験。
とにかく試験当日に向けて睡眠をしっかりとり、体調管理を優先しながら最終確認をしていきましょう。
つい睡眠時間がもったいないと焦ってしまいがちですが、暗記したことは睡眠中に脳が整理してくれると言われています。
やるだけのことはやったと思うので、あとは自分を信じましょう。
そして無事、学科の試験を終えたら自己採点をし、手ごたえがあれば製図試験の勉強を始めましょう。
8月 製図試験の勉強ラストスパート。
図面に慣れている方なら、模範解答をトレースしてとにかく手順に慣れ、大きな減点ミスを防ぎましょう。
身近に図面がわかる方がいれば、アドバイスをお願いするのもいいでしょう。
ご自身では気付けていない、違うパターンの読み解きがあるかもしれません。
「学科の試験」の合格発表があります。
晴れて合格していた時は、思いっきり自分を褒めてあげましょう。
その後「設計製図の試験」に向けて必要な手続きを忘れずに行いましょう。
9月 製図試験を受験。
学科の試験と同様に、とにかく試験当日に向けて睡眠をしっかりとり、体調管理を優先しながら最終確認をしていきましょう。
12月 設計製図の試験合格発表
待ち遠しかった合格発表です。
無事合格した方、とにかくおめでとうございます!
もし不合格だった方、残念でしたが、まだ諦めないでください。
二級建築士試験には、学科の試験が合格している方が、もう一度チャレンジしやすいように学科免除制度があります。
※令和2年の建築士法改正により、学科試験合格後5年間で3回は免除されます。
学科の試験がない分、次は製図の試験だけに全集中できます。
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二級建築士の独学でよくある質問
二級建築士を独学で目指すみなさんからの、よくある質問についてまとめていきます。
Q.二級建築士試験は難しいですか?
A.全国の合格率は25%前後と低めで、難しい試験です。
それは試験時間の長さからもわかるように、多岐にわたる知識が必要だからです。
ただ、過去に建築を学んだことがある方や現在建設業界で働いていている方なら、対策もしやすいため、充分狙える資格でしょう。
Q.二級建築士に独学1か月で合格できますか?
A.ご自身の経験による知識量によりますが、もし建設業界で勤務されていて日頃から図面や「法令集」の引き方などに慣れていたり、学校などで建築の基礎を学んでいる方は不可能ではありません。
ただ、その1か月はかなり集中して勉強する覚悟が必要でしょう。
Q.二級建築士に独学で文系でも合格は目指せますか?
A.もちろん文系だから目指せないということはありません。
しかし、二級建築士試験の受験資格は、建築士法第15条において、建築に関する学歴または資格等に応じて、必要となる建築実務の経験年数が定められています。
まずこの受験資格をクリアしているか確認が必要です。
二級建築士は、建築物の用途や使う人のことまで考え図面を書く必要がある職業です。
今は図面に慣れていなくても、将来的に文系の方が得意とするコミュニケーション能力や文章を読み解く力が、実際の現場ではかなり役に立つでしょう。
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まとめ
二級建築士を独学で合格するのは、もちろん簡単ではありませんが、実際合格している人が毎年大勢います。
あらゆる方法を駆使し、効率よく時間を使うことを強く意識して、学んでいけば狙えない資格ではありません。
まずご自身の今の知識がどれくらいなのかを把握し、それに伴う勉強方法と勉強時間で試験日までのスケジュール管理をしっかり立てる。
そしてそのスケジュール通りに、とにかく諦めず続けていく。
もちろん途中で思い通りに進まない時もあると思います。
そんな時は、変に焦らずこんな時もあるな!と切り替えてまた続けていきましょう。
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