自動車保険には多種多様な特約が存在しますが、その中でも弁護士費用特約は魅力的な特約です。
しかし、弁護士費用特約と言っても
「何を補償するの」
「どのような状況で役に立つの」
「加入すべきかどうか迷っている」
そんな疑問を持つ人も少なくないでしょう。
そこで今回は、弁護士費用特約の詳細やそのメリット・デメリット、加入率や注意点について詳しく解説します。
自動車保険の契約や更新、変更など考えている人は、ぜひ参考にしてください
- 弁護士費用特約の特徴
- 弁護士特約の補償内容
- 弁護士費用特約のメリット・デメリット
- 弁護士費用特約の注意点
- 弁護士費用特約の加入をおすすめしたい保険会社
自動車保険の弁護士費用特約とは何か
まずは、自動車保険の弁護士費用特約とは何なのかについて種類を含めて解説します。
特徴などを抑えて、しっかりと弁護士費用特約について理解しましょう。
弁護士費用特約って何?
「弁護士費用特約」とは、自動車保険における特定の保険特約の一つで、付帯することで弁護士に関する費用をカバーしてくれる保険の特約です。
具体的には、一度の交通事故に対して、または保険契約者一人に対して、最大300万円までの弁護士費用が保険会社によって負担されます。
さらに、弁護士に対する初回の相談料も、最高で10万円まで保険会社が負担してくれるため、一般的な交通事故の場合、弁護士への相談や依頼が無償で可能となります。
交通事故の任意保険や傷害保険にオプションとして付帯することができます。
弁護士費用特約は、正式には「弁護士費用等補償特約」、略して「弁特」や「弁護士特約」などとも呼ばれることもあります。
引用元:交通事故弁護士相談Cafe
弁護士費用特約の種類
自動車保険の弁護士費用特約には、補償範囲が異なる種類が存在し、保険会社によっては、自動車事故に関する弁護士の費用や相談費用のみを補償するものとなっています。
しかし、自動車事故だけでなく、犬に噛まれたり自転車同士の事故など、日常生活で発生する事故に対する弁護士費用も補償対象となる特約も。
また、弁護士費用特約だけを使った場合、次年度の等級は減少しないため、弁護士費用特約だけを利用したとしても、次年度には1等級上昇することになります。
【補償の種類と補償の範囲】
弁護士費用特約の種類 | 自動車事故で被害者となった場合 | 自動車事故以外の日常事故で被害者となった場合 |
---|---|---|
自動車事故のみ | 〇 | × |
自動車事故+日常事故 | 〇 | 〇 |
自動車保険の弁護士費用特約の補償内容
弁護士費用特約は、交通事故が発生した際に、損害賠償についてのアドバイスを求めるための弁護士への相談料や相手方との交渉を依頼するための費用を補償するものです。
ただし、補償の範囲には特定の制約が存在します。
ここでは、弁護士費用特約の補償内容について詳しく解説します。
思わぬもらい事故でも安心
自動車保険に弁護士費用特約を付帯していなくても、通常、交通事故による相手方との交渉は保険会社が行ってくれますが、そのルールには一部例外があります。
たとえば、自身が完全な被害者(過失割合が0%)である「もらい事故」の場合、保険会社は加害者側と交渉を行うことができません。
これは、過失割合が0%であるため、自身には相手方への損害賠償責任が生じないためで、その結果、保険金は対人・対物いずれにも支払われません。
さらに、必要のない交渉を保険会社が行うことは、弁護士法に反する可能性があるため、自身が被害者の場合、保険会社を頼ることができず、自身で加害者側と交渉を行わなければならない状況が生じます。
しかし、一般の個人が保険会社を通じて交渉を行う加害者側と対峙するのは、経験や知識が不足しているため困難となります。
このような状況で弁護士費用特約が有効となります。
自身が完全な被害者である「もらい事故」の際に、保険会社が交渉を行うことができない状況でも、この特約によって交渉などを弁護士に依頼することが可能になります。
相手との交渉は弁護士におまかせ!
弁護士費用特約の最も明確なメリットは、やはり交通事故時の相手方との交渉を弁護士に任せられることでしょう。
交通事故が発生した際、保険会社は法的規定に基づいて交渉を行い、加害者と被害者の過失割合や損害賠償金額を決定します。
しかし、時には相手方の提案する過失割合や賠償金の提示額に納得できない状況が発生します。
このような場合、弁護士は裁判を考慮した裁判所基準に基づいて交渉を行い、双方の当事者が納得できる公平な解決を追求することができます。
過失割合や賠償金額の解釈は個々の立場や解釈により異なり、特に交通事故では、被害者と加害者の立場から感情的になりやすいです。
そのような状況で、法律の専門家が介入し交渉を進めてくれることには、大きな安心感が生まれます。
使用しても等級には影響なし!
基本的に自動車保険を利用して保険金を請求する場合は、等級が下がり、その結果、保険料が高くなる可能性があります。
しかし、弁護士費用特約の利用は「ノーカウント事故」に該当するため、等級を下げることなく、次年度の保険料に影響を与えません。
このため、保険利用による等級の下降や保険料の増加を懸念することなく、何か問題が発生した際に安心して利用できる特約となっています。
裁判にならない場合にも利用は可能
交通事故の解決には、裁判に至らず、示談交渉で合意することが多くあります。
そのような状況でも、弁護士費用特約は利用できるため、裁判所に行かずとも弁護士に交渉を依頼することができます。
自動車保険の弁護士費用特約がどんな時に必要か
ここでは、自動車保険の弁護士特約の重要性を理解するために、どのような時に弁護士特約が必要なのかを紹介します。
交通事故が起こったとき、必ずしも保険会社が全ての示談交渉を引き受けてくれるわけではないので、弁護士特約の役割と必要性を認識しましょう。
加害者側が100%の過失割合での追突事故
弁護士特約の重要性が最も際立つのは、停車時に追突されるなど、被害者が一切の過失を負わない、つまり10:0の過失割合を主張できるケースです。
被害者が全くの過失無しを主張する場合、多くの保険会社は相手方との示談交渉を行うことはないため、被害者自身が加害者の保険会社と直接交渉することになります。
もし相手側が自発的に全責任を認め、適切な賠償金を提案してくれるなら問題ないのですが、相手が10:0の過失割合を認めてくれない場合、被害者側が自身の無過失を証明する責任があります。
この証明は非常に困難であるため弁護士の介入が一般的ですが、その報酬は高額になります。
そこで弁護士特約を付帯しておけば、そのような費用を補填してくれるのです。
さらに、加害者の保険会社が完全な過失を認めても、提示される賠償金額に満足できない場合は、弁護士が代わりに交渉を行うことで、適切な賠償金を獲得できる可能性が高くなります。
加害者側が任意保険に入ってない
年々、交通事故の賠償金額は増加傾向にありますが、乗用車、貨物車、二輪車を含む全自動車の約75%程しか任意の自動車保険に加入していないのが現状です。
特に普通乗用車では、その普及率は約83%に達していますが、それでも一部のドライバーは任意保険に未加入で運転を続けています。
そのようなドライバーと交通事故を起こすと、過失割合に関わらず示談交渉が難しくなり、適切な賠償金額が提示されないだけでなく、支払いそのものが遅れる可能性も出てきます。
弁護士特約に加入している場合、このような相手との交渉を代理で行い、適正な賠償金額を獲得できます。
また、相手方からの支払いが遅れる場合でも、法的対応を取ってくれるため、弁護士特約は交通事故の対応を全般的にサポートしてくれる大きな強みを持っています。
自動車保険の弁護士費用特約のメリット
自動車保険の弁護士費用特約には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、弁護士費用特約に関する6つの大きなメリットについて詳しく紹介します。
自動車保険の弁護士費用特約には主に以下のメリットがあります。
- 弁護士費用負担の心配なし
- 相手との示談交渉がまかせられること
- 賠償金額を増額できる可能性がある
- 加入者の家族も利用ができること
- 日常生活のなかでも使える場合も
- 後遺障害等級認定の申請をまかせられる
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
弁護士費用負担の心配なし
弁護士を利用する際には、通常、初回の相談料や着手金、成功報酬などが発生するため、事故後の状況や訴訟が必要になった場合は、一人の個人が負担するには大きな費用となります。
しかし、自動車保険に弁護士特約を付帯している場合、これらの費用が一部または全額補償されることがあります。
初回の相談料は最大10万円、その他の費用(着手金や成功報酬など)は一度の事故につき最大300万円までが補償の対象となります。
弁護士費用特約は、経済的な理由で弁護士をあきらめることなく、十分な賠償を求めるための援助を受けることができます。
相手との示談交渉がまかせられること
弁護士特約があると、交通事故に関するあらゆる交渉を弁護士に委任することができます。
そのため自分自身で相手方の保険会社と直接対話することが苦手な方にとっては、大きなメリットとなります。
事故によって一切の過失がないにもかかわらず、保険会社の担当者とのやり取りがストレスフルであったり、担当者によっては、対応が悪いといった経験をした方もいるかもしれません。
また、示談交渉だけでなく謝料の請求に必要なすべての手続きを弁護士に任せられるため、自分自身で事故後の複雑な流れを把握する必要もないので安心です。
賠償金額を増額できる可能性がある
自動車保険の弁護士特約を利用すれば、より高額な慰謝料や損害賠償を得られる可能性があります。
慰謝料は、「自賠責保険基準」、「任意保険基準」、「弁護士基準(裁判所基準)」の3つの基準で計算され、これらの中で「弁護士基準」は、弁護士に依頼した場合のみ適用される基準です。
自分で交渉する場合、弁護士基準に基づく慰謝料を得ることはできないため、より多くの慰謝料や損害賠償を得たいと思うのであれば、弁護士の力を借りることが有効です。
加入者の家族も利用ができること
自動車保険の弁護士費用特約は、保険加入者だけでなく、その配偶者や同居家族、親族も利用可能とされています。
保険加入者が運転中の事故で、配偶者や同居の家族・親族が傷害を受けた場合や配偶者や同居の家族・親族が運転中の事故に巻き込まれた場合でも、特約を使用して弁護士に相談することができます。
日常生活のなかでも使える場合も
先述でも触れましたが、自動車・日常生活事故型の弁護士費用特約であれば、弁護士費用の補償対象範囲を自動車事故だけでなく、日常生活全般で発生する事故にも対応してくれます。
これには、運転中や歩行中に自動車にひかれるなどの事故はもちろんのこと、散歩中に突然走ってくる人にぶつかってけがをしたり、他人の飼い犬に噛まれて傷を負ったなど、自動車が関与しない日常生活の事故も含まれるため、安心して生活できるでしょう。
後遺障害等級認定の申請をまかせられる
事故の結果として長期的な後遺症が残ってしまった場合、その評価を行うための後遺障害等級認定の申請を弁護士に任せることができます。
この申請は、必要な書類が多く、手続きが複雑になるため、自身で対応するのは非常に難しいです。
そのような面倒な手続きを専門的な知識と経験を持つ弁護士に委任できるのが、弁護士特約の大きなメリットの一つです。
自動車保険の弁護士費用特約のデメリット
弁護士費用特約には多くのメリットがある一方で、デメリットもあります。
ここでは、自動車保険の弁護士費用のデメリットについて紹介します。
主なデメリットとしては以下の3つが挙げられます。
- 保険料自体の金額が上がってしまう
- 加入前に起こした事故が補償外
- 上限額を超えたら自己負担になる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
保険料自体の金額が上がってしまう
弁護士特約を付帯すると保険料が上がってしまいます。
弁護士費用特約の料金は、大体3,500から4,500円程度となるので、契約の際にはコストを確認してから決定しましょう。
加入前に起こした事故が補償外
弁護士特約は保険加入後の事故に対するものであり、加入前の事故に対しては適用されません。
上限額を超えたら自己負担になる
弁護士特約には法律相談の上限額が10万円、弁護士等の費用の上限額が300万円と設定されているため、この額を超えて費用が発生した場合、差額は自分で負担しなければなりません。
自動車保険の弁護士費用特約がおすすめ人
これまで紹介してきたように、弁護士費用特約はいざというときの備えになるので、以下のような人にはおすすめの特約となっています。
都心部など交通量の多い地域に住んでいる人や、頻繁に車を運転する人は是非検討してみましょう。
職場・自宅周辺の交通量が多い人
交通量が多いエリアに住んでいたり、働いている場合は、自分や家族が交通事故に巻き込まれるリスクも高くなるため、弁護士費用特約の加入が重要です。
歩行者として被害者になった自動車事故や、家族も含む弁護士費用を補償してくれるだけではなく、対象となる車両が事故に遭遇した場合、乗車していた全ての人々が補償の対象となります。
車を運転することが多い人
車通勤や車で子どもの送迎を日常的に行っている方は、交通事故のリスクが増えるため、弁護士費用特約は非常におすすめです。
普段通い慣れたルートでの運転であっても、予期せぬ事故に巻き込まれる可能性はゼロではありません。
頻繁に車を運転する方は、交通事故に遭った際の補償も前もって考慮しておくことが大切です。
自動車保険の弁護士費用特約が必要ない人
弁護士費用特約は、急な事故に備えるための重要な保険ですが、次の2つのケースに当てはまる人は、弁護士費用特約は必要ないでしょう。
他に加入している保険の中に弁護士費用特約がついている
弁護士費用特約は自動車保険に一般的に含まれますが、それ以外の火災保険、傷害保険、生命保険などにも含まれることがあります。
既に他の保険に弁護士費用特約が含まれている場合、新たに弁護士費用特約を持つ保険に加入する必要はありません。
既存の保険が弁護士費用特約を含んでいるか、またその特約の内容を確認してみてください。
家族が弁護士費用特約のついた保険に入っている
あなたの家族が弁護士費用特約を含む保険に加入している場合、あなた自身が別途弁護士費用特約に加入する必要はないかもしれません。
前述したように、弁護士費用特約は保険契約者だけでなく家族も対象となります。
ですから、家族が加入している保険の内容を確認し、その弁護士費用特約があなたにも適用可能であれば、新たな保険への加入は不要でしょう。
以上の2つに該当しない場合は、弁護士費用特約を含む保険への加入を検討してみてください。
自動車保険の弁護士費用特約の加入率について
ここまで自動車保険の弁護士費用特約について解説しましたが、実際に加入している人はどれくらいいるのでしょうか。
ここでは、弁護士特約の加入率や利用者の口コミ、評判について紹介します。
弁護士費用特約の加入率はどれくらい?
自動車保険の弁護士特約は、特に保険代理店を通じての加入の際には、ほとんどの場合自動的にセットで契約されています。
一部の保険会社が公開したデータによれば、約60%近くの運転者が弁護士特約に加入しているとの統計も存在します。
複数台の車を家族で所有していたり、自動車とバイクの保険を別々に契約している場合などでは、弁護士費用特約を重複して加入する必要はないケースもあるので、実際には公表されている割合以上の運転者が弁護士特約に加入している可能性があると考えられます。
弁護士費用特約の加入者の口コミや評判
弁護士はお金が掛かる
これが支払い2回目で、まだ裁判中ですw
弁護士費用特約は必須
おじさんとの約束だ‼️ pic.twitter.com/Xm0W8vhNJ8— gami_delivery@Nagoya (@gami0831_delive) February 3, 2023
弁護士になった当初は、自動車保険に弁護士費用特約いらんやろと思ってたが、今はつけることに迷いはない。
— 弁 (@OnionSword75) May 9, 2023
同時期に身内と会社の先輩から「事故にあったんだけど…」と相談を受けた。共通して言えることは、2人とも弁護士費用特約を付けた自動車保険に入っていて本当によかった。
俺「あっ、大丈夫です。全部弁護士にやってもらいましょう。受任通知さえ相手方に届けば大半の人間はビビりますから。」
— けいしー@雪山禁断症状 (@mg33sl275v) May 27, 2023
弁護士費用特約は大事
母ちゃんも、自賠責しか入ってない爺さんにぶつけられた時に大変助かりました
— ゆずしばママ (@ShibaMaMayuzu) March 4, 2023
実際の加入者の口コミや評判を見てみると、弁護士費用特約については、加入しておくべきだと考える意見や、実際にその特約を活用して良かったと感じる意見が非常に多いです。
一方で、保険料が高いという意見も散見されましたが、それでも多くの人々がその価値を認め、確実に加入している傾向がありました。
自動車保険の弁護士費用特約の注意点
自動車保険の弁護士特約は、日常の運転をより安全で安心感のあるものにしてくれますが、いくつか注意すべき点もあります。
ここでは、弁護士費用特約に関連する注意点を6つ紹介します。
利用の際には上限があること
弁護士特約には上限額が設けられている場合が多いです。
一般的に約300万円(税込)を一人当たりの上限として設定しているため、例えば4人家族が事故に巻き込まれた場合、上限は300万円×4人、つまり合計1,200万円(税込)になります。
もし弁護士費用がこの上限額を超過した場合、その超過分は保険契約者が自己負担することになります。
しかし、上限額を越えるほどの深刻な事故になった場合、それは相応に大きな賠償額を伴うケースが多いため、自己負担となる金額も十分にカバーできることが多いです。
事前に保険会社の利用承認が必要
弁護士等に依頼する費用を弁護士費用特約でカバーするためには、保険会社に事前に申告し、その許可を得ることが必要となります。
状況を早急に解決したいという気持ちは理解できますが、不必要な費用を避けるためにも、事前に保険会社の利用承認を得ることを忘れないようにしましょう。
事故のあとに契約しても意味がない
弁護士費用特約は、交通事故が起こった段階で加入済みでなければ、その補償を受けることはできません。
そのため事故後に弁護士特約に加入しても、その事故に対する補償は受けられません。
家族で補償が重複してしまっていることも
もし家族で複数台の自動車を所有している場合、全ての車に弁護士費用特約を適用すると保険料が無駄になる可能性があります。
弁護士費用特約は運転者だけでなく、配偶者や同居の家族、未婚の子どもたちも補償範囲となっています。
一家で複数台の車を所有している状況では、一台に弁護士費用特約を付けるだけで十分なので、複数の契約している場合は、
余分な契約は解約し一つに絞るのが良いでしょう。
ただし、車両保有者や契約車両搭乗者など完全に重複していない部分もあるため、詳しくは保険会社に確認しましょう。
自動車関連の事故以外は補償が適用されない可能性も
自動車保険の弁護士費用特約は、通常、自動車事故に関連したケースのみを保証の範囲としています。
たとえば、自転車同士の事故や歩行中に自転車に衝突されるなどの事故、または他の日常生活での事故については、一般的には補償の対象とはなりません。
ただし、近年では保険会社によっては、保険の補償範囲を自動車事故だけでなく日常生活での事故までカバーする弁護士費用特約を提供しているところも増えてきています。
弁護士を選ぶ際には保険会社の承認が必要
弁護士費用特約を活用する際は、相談や交渉を依頼する弁護士は契約者が自由に選ぶことが一般的です。
しかし保険会社によっては、弁護士の選択にあたり事前の承認が必要であったり、指定弁護士が保険金の支払い条件となっている場合もありますので、その点には注意が必要です。
事前承認の必要性がない場合でも、保険金の支払いは保険会社が行うため、事前に弁護士費用特約の使用を保険会社に伝えておくことで、手続きがスムーズに進むでしょう。
弁護士費用特約をつけて加入をおすすめしたい保険会社
ここでは、弁護士費用特約をつけて加入をおすすめしたい保険会社をいくつか紹介します。
保険会社の加入や変更を検討されている人は、ぜひ参考にしてください。
セゾン自動車火災保険株式会社
画像引用元:セゾン自動車火災保険株式会社公式HPより
保険名 | おとなの自動車保険 |
契約型 | ダイレクト |
補償内容 | 対人賠償保険
対物賠償保険 他車運転 無保険車傷害 人身傷害保険(車内のみ) 対物賠償保険 他車運転 車両保険 |
24時間対応 | ◯ |
全国拠点数 | ロードアシスタンス拠点数:約9,200箇所
提携修理工場:約1,000箇所 損保ジャパンサービス拠点:286箇所 ALSOK拠点:約2,400箇所 |
条件設定 | 免許証の色
使用目的 走行距離 運転者限定条件 |
セゾン自動車火災保険の「おとなの自動車保険」は、40代〜50代に良心的な価格でサービスを展開している自動車保険です。
顧客満足度が高いことが特徴的です。
万が一の事故が発生した場合でも、全国どこでもALSOKのスタッフが現場に出向いてサポートを提供していたり、専任の事故対応担当者とはLINEを通じて連絡を取ることが可能で、保険金の請求に必要な写真もLINEで送ることができます。
また、全国に約9,200箇所のロードアシスタンス拠点があるため、万全のサポート体制が整っています。
弁護士費用の保険は、1件の事故について被保険者一人当たり最大300万円、法律相談や書類作成費用は同じく一人当たり最大10万円まで補償、弁護士特約の利用は次年度の保険料や等級に影響を与えないことも特徴的です。
ソニー損害保険株式会社
画像引用元:ソニー損害保険株式会社公式HPより
保険名 | ソニー損保 |
契約型 | ダイレクト |
補償内容 | 対人賠償保険
対物賠償保険 人身傷害補償保険 搭乗者傷害保険車両保険 |
24時間対応 | ◯ |
全国拠点数 | 約10,000箇所 |
条件設定 | 年齢条件
免許証の色 使用目的 走行距離 運転者限定条件 |
ソニー損保の自動車保険は、事故が発生した際には、セコムの緊急対処員が現場に出動し、必要なサポートを提供します。
もし保険契約の自動車が自走不可能になった場合には、宿泊費や帰宅費を1事故ごとにサポートしてくれたり、専任の担当者による質の高いサービスを受けることができます。
ソニー損保の弁護士費用特約には、自動車事故のみを対象とするタイプと、自動車事故と日常生活における事故両方を対象とするタイプの2種類があります。
保険金の補償は、被保険者一人につき最大300万円まで、そして法律相談費用に関しては被保険者一人につき最大10万円まで補償が行われます。
チューリッヒ保険会社
画像引用元:チューリッヒ保険会社公式HPより
保険名 | チューリッヒ保険 |
契約型 | ダイレクト |
補償内容 | 車両保険
対人賠償保険 対物賠償保険 人身傷害保険 搭乗者傷害保険 |
24時間対応 | ◯ |
全国拠点数 | サービス拠点全国約10,400箇所 |
条件設定 | 年齢条件
免許証の色 使用目的 走行距離 運転者限定条件 |
チューリッヒ保険の自動車保険は、契約開始時から無料のロードサービスを提供しているため、専門のスタッフがいつでも、どこでも現場に迅速に対応してくれます。
また、100kmまでのレッカーサービスが無料となっているため、遠出中でも安心して利用できます。
弁護士費用特約については、訴訟や和解のための弁護士費用を、被保険者一人あたり最大300万円まで補償します。
また、法律相談費用についても、加入者一人あたり最大10万円まで補償します。
三井ダイレクト損保
画像引用元:三井ダイレクト損保公式HPより
保険名 | 強くてやさしいクルマの保険 |
契約型 | ダイレクト |
補償内容 | 対人賠償保険
対物賠償保険 人身傷害保険 車両保険 |
24時間対応 | ◯ |
全国拠点数 | 提携修理工場:2,100箇所 |
条件設定 | 年齢条件
免許証の色 使用目的 走行距離 車の登録地 運転者限定条件 |
三井ダイレクトの自動車保険は、年中無休の事故対応と広範なロードサービスに加えて、加入は宿泊施設やレジャー施設などで使える特別なクーポンを利用できます。
また、特別なドライブレコーダーが一定の衝撃を感知すると自動的に安全確認デスクに連絡がいく「レスキュードラレコ」特約があり、事故が起きたときの対応をサポートしています。
さらに、専用のアプリを利用することで、契約内容のチェックや事故の報告、契約変更の手続きなどを簡単に行えます。
弁護士費用補償特約については、被保険者一人あたり最大300万円まで補償します。また、法律相談費用についても、被保険者一人あたり最大10万円まで補償しています。
交通事故トラブルに強い弁護士を探す方法は?おすすめサイトを紹介!
実際に交通事故に遭ってからは、トラブルに強い弁護士に相談するのが安心ですよね。
ここでは、交通事故トラブルに強い弁護士の探し方とともに、おすすめサイトを2つ紹介します!
概要 | ベンナビ交通事故 | 交通事故弁護士相談Cafe |
---|---|---|
慰謝料自動計算 | 可能 | 可能 |
分野別弁護士検索 | 可能 | 可能 |
地域別弁護士検索 | 可能 | 可能 |
詳細 | 公式サイト | 公式サイト |
上記2つは交通事故に特化した弁護士を紹介しているサイトの中で、特に人気の高いサイトです。
ここからは2つのサイトについて詳しく紹介していきます。
ベンナビ交通事故
画像引用元:ベンナビ交通事故
交通事故相談の実績があり、信頼できる弁護士をスムーズに探したい方は「ベンナビ交通事故」がおすすめです。
- ベンナビ交通事故の特徴
- ベンナビ交通事故のおすすめポイント
ここではベンナビ交通事故について、上記2点を紹介していきます。
ベンナビ交通事故の特徴
ベンナビ交通事故は、交通事故トラブルに強い弁護士を見つけることができる「累計相談件数91,800件超の実績」ある弁護士検索サイトです。
示談交渉や慰謝料請求といった、交通事故問題に重点を置いて取り組んでいる弁護士ばかりが掲載されているので安心して相談できます!
トップページから見つけ方が選択できるようになっており、絞り込み検索の他に「都道府県・相談内容・主要都市・東京23区」など4つのカテゴリから弁護士を素早く見つけられます。
また、ページ内には「状況別のポイント」があり、現在の状況で弁護士に依頼するとどんなメリットがあるのかを紹介しているので、まずはチェックすることをオススメします。
ベンナビ交通事故のおすすめポイント
ベンナビ交通事故のお勧めポイントは以下の3つです。
● 交通事故に強い弁護士のみ掲載
ベンナビ交通事故は、全国の交通事故に強い弁護士のみを掲載しているWebサイト!
各事務所の特徴、営業時間、料金形態、アクセスなどが掲載されているため、事務所のホームページを一つ一つチェックする手間が要らないので、忙しい人におすすめです!
● 弁護士を希望に合う詳細条件から選べる
弁護士を詳細条件から選べるので「事故によるけがのため弁護士事務所に行くのが困難」「着手金が要らない事務所と相談したい」といった、細かな希望からでも弁護士を探すことができます。
● 交通事故診断ツールが利用できる
慰謝料自動計算や弁護士の必要性が診断できる交通事故診断ツールの無料利用が可能です。
交通事故にあった時は、まずは診断から始めてみてはいかがでしょうか?
交通事故弁護士相談Cafe
画像引用元:交通事故弁護士相談Cafe
交通事故弁護士相談Cafeは、交通事故によるお金の問題(怪我・治療費・示談金・慰謝料)や、保険会社の対応等に悩みを持つ「交通事故被害者」を弁護士とつなぐことによって支援するポータルサイトです。
繋がれる弁護士は、全て交通事故トラブルに特に強い弁護士ばかり!
- 交通事故弁護士相談Cafeの特徴
- 交通事故弁護士相談Cafeのおすすめポイント
ここでは上記2点について紹介していきます。
交通事故弁護士相談Cafeの特徴
交通事故弁護士相談Cafeでは、交通事故に関して各地域で解決実績が豊富であり、交通事故案件に強い弁護士177人を全国から紹介しています。
掲載されている弁護士は、次のような悩みに寄り添って解決まで導いてくれる強力な味方。
- 保険会社の話が難しくて分からない
- 説明内容に納得できない
- 自分の怪我の治療に集中したい
- 交通事故によるトラブルを自分では上手く解決できない
探し方は簡単で、トップページから自分の住んでいる地域をクリックするだけ。
おすすめの弁護士全ての口コミや電話番号等の詳細を見ることができるので、効率よく弁護士を見つけられるでしょう。
交通事故弁護士相談Cafeのおすすめポイント
交通事故弁護士相談Cafeのおすすめポイントは以下の3つです。
● 分野別弁護士検索ができる
人身事故、過失割合、訴訟問題など分野別に強い弁護士をピンポイント検索できるので、その分野に特化した弁護士をスムーズに見つけられます。
● 交通事故慰謝料の自動計算機を利用できる
後遺障害等級や通院期間を入力するだけで、弁護士基準の慰謝料相場が計算できるので、今後の予算の目安が立てやすいので便利です。
● 全国対応、土日祝日受付もしている人気弁護士事務所をトップページで紹介している
「慰謝料無料診断」実施中の人気弁護士事務所「ベリーベスト法律事務所」をトップページで紹介しているので、この無料診断を利用できるメリットがあります。
上記3つをうまく活用して、早期の解決を目指すのが得策でしょう!
よくある質問
ここでは、弁護士費用特約に関するよくある質問をいくつか紹介します。
依頼したい弁護士は自分で決められるの?
弁護士費用特約を活用する際には、保険会社が推奨する弁護士を利用することも可能ですが、独自に選んだ弁護士を依頼することも可能です。
弁護士を選ぶ際には、自分の事情に共感し、明瞭な戦略を立て、法律の説明を分かりやすく行い、解決に向けて積極的に行動するかどうかなどの要素を重視することが一般的です。
弁護士費用特約によれば、法律相談の費用も保険から支給されるため、信頼感が生まれるまで何人かの弁護士と法律相談を行い、納得した上で自分が選んだ弁護士を依頼するという形をとってもいいでしょう。
保険会社は弁護士費用特約を嫌がるって本当なの?
弁護士費用特約を使用する際に、保険会社の担当者からその使用を制限されることがあります。
これは特に、賠償金の大幅な増加が予想できない物的損害事故や比較的軽微な事故が発生した場合や、相手方との交渉で特に問題がない場合、契約者側にも過失があり、保険会社が示談交渉を行うことが可能な場合などに該当します。
保険会社は弁護士費用を負担する立場にあるため、これらの状況では使用を避けたがるかもしれませんが、その特約を使用するかどうかについての最終的な決定権は契約者にあります。
嫌がられたとしても利用したい場合は、必ず利用しましょう。
万が一訴訟になった場合の費用は負担してくれる?
弁護士費用特約は、訴訟に関連する費用も補償してくれます。
ただし、具体的な詳細は保険会社の契約内容や約款によって異なるため、必ず確認しましょう。